祖父から譲り受けたカメラで4年前から写真にのめり込む。街並みや友人の撮影をメインとした活動を行う。
NaO さんの使用カメラ
NaO さんの使用レンズ
4年前、写真好きだった祖父から譲り受けたカメラをきっかけに、街や友人の姿を撮り続けているNaOさん。
現在はNikonの一眼レフ2台を愛機に、季節の花や街並み、そして人の営みを静かに切り取るような撮影を楽しんでいます。
今回は、そんなNaOさんに写真との出会いや大切にしている視点について、お話を伺いました。
写真を始めたきっかけは、趣味で写真を撮っていたお祖父さまから譲り受けた一台のカメラでした。
「祖父が足を悪くして歩けなくなった時に、『これを大切に使ってくれ』とカメラとレンズ一式を託してくれました。最初は地元の紫陽花や秋桜などを撮っていましたが、その魅力にどんどん引き込まれて。次第に街並みや友人を撮るようになり、本格的にのめり込んでいきました」
思い出とともに受け継がれたカメラは、NaOさんにとってただの機材ではなく、「写真に向き合う姿勢」そのものを教えてくれる存在なのかもしれません。
NaOさんが写真に魅力を感じるのは、日々の風景や行き交う人々が持つ“物語”のような一瞬です。
「私は普段の何気ない風景や人々を“主人公”にできるのが写真の魅力だと感じています。撮るときも“どうしたらこの瞬間や人を魅力的に写せるか”を常に意識しています」
それは、華やかでドラマチックな場面ではないかもしれない。でも、誰かにとってはかけがえのない瞬間であり、その“かすかな輝き”を写真として残す──そんなNaOさんの写真には、あたたかな視線が宿っています。
現在、NaOさんが使っているのは Nikon D610 と Nikon F100。どちらも祖父から譲り受けた機種です。
「実は一眼レフはこの2台しか持ったことがありません。祖父が大切にしていたものなので、余程のことがない限りは寿命まで使い続けたいと思っています」
使用するレンズは、28mm、50mm、60mmの単焦点。撮る対象に合わせて柔軟に使い分けているそうです。新しい機材を追うよりも、想いのこもった機材を大切に使い続ける姿勢に、写真に対する誠実さが感じられます。
特に印象に残っている撮影エピソードを尋ねると、NaOさんは2025年春に行ったある撮影のことを教えてくれました。
「2人の友人女性から卒業袴の写真を頼まれたんです。人生で一度きりの晴れ着姿を任された緊張感はすごかったですね。天候や袴の色味などを考えながらの撮影は、とても貴重な経験でした」
「その撮影を通して、“人生の節目や思い出に関わりたい”という想いが強くなりました。だからこそ、これからは技術の習得やアイデアの吸収をより大切にしていきたいです」
大切な人の人生のワンシーンを、写真という形で残す──NaOさんの写真が、人の心に長く残るのは、そうした“責任と愛情”が込められているからなのかもしれません。
最後に、カメラユーザーにおすすめの撮影スポットを聞くと、NaOさんは福岡県北九州市の門司港レトロを挙げてくれました。
「明治時代の街並みが残っていて、昔ながらの商店街もあって。どこか懐かしく、日本人の心にあるノスタルジーをくすぐってくれます」
現代の都市の中で、過去と現在が交差するような場所。写真に感情や物語を求めるNaOさんだからこそ見出せる“絵になる風景”が、そこにはあるのかもしれません。
祖父から受け継いだカメラで始まったNaOさんの写真の旅。
何気ない風景や人の姿を、丁寧に、優しく、ひとつの物語として写し取っていく──そのスタイルは、まるで「目に見えるアルバム」をめくっているかのような心地よさを感じさせてくれます。
これからもきっと、NaOさんのレンズは、大切な人々の人生の節目や、街角のふとした情景を、そっと光に包んで記録していくのでしょう。
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