
大学生にとって、カメラ・レンズへの出費はかなりヘビーである。中古の古いカメラを買うにも、デジタル一眼なら、最低数万円〜が相場となってくる。
新品を買おうものなら、本体だけでも10万円〜がラインだ。
ただ、カメラを使いこなせるようになっていくと、もっといい写真を撮りたい⋯という欲望が沸いてくる。
これは、スマホカメラが性能を進化させていく中、敢えてカメラを使う者としての足掻きなのかもしれない。そして、更なる高みを目指し、上位機種や高級レンズを使ってみたい⋯というのは写真系サークル部員共通の夢である。
しかし、購入するには敷居が高過ぎるし、近年サブスクレンタルサービスもありはするが、1ヶ月借りるのにやはり数万円のレンタル料がかかる。
それをなんと無料で、機材を貸し出してくださるこの企画は、控えめに言って神企画である。機材を無料で使える学生のメリットだけではない。
この企画は、スマホカメラの台頭により、縮小しつつあるカメラ業界と、写真を愛する若い世代を繋ぐ架け橋となっているのではないだろうか。
学生という若い世代に、夢だった上位機種や高級レンズに触れ、更にいい写真を撮るという経験を与えるということは、将来のカメラ業界を支える人材育成にも繋がると考える。
私は元々野鳥を専門に撮影しているのだが、手持ちの機種の性能の限界を感じるようになり、今回の企画に参加させて頂くことにし、フォームに所属、氏名などの情報と来店日時を入力して送信。
指定日時に来店した。当初は新発売のNikon Z6 Ⅲの鳥AFを試したく、貸し出しを依頼しようと思ったが、ちょうど他の学生さんがレンタル中とのこと。
それなら⋯と、NikonのAPS-C一眼レフの中で最強のAF精度と名高いD500をレンタルすることにした。私の場合、ある程度撮りたい被写体や、希望機種が固まっていたため、機材選びで相談することはなかったが、もし悩むようなら丁寧に相談に乗って頂けそうな雰囲気であった。
そして用意されたD500。とても中古とは思えないほど状態が良い。ほんとに無料で使っていいのか⋯?と不安になるレベルであった。その後、付属品のヒアリング。私の場合、家にバッテリーや、ストラップはあったので、ボディ本体のみレンタルふることにした。
丁寧にプチプチに包んで梱包して頂き、受け取り手続き終了。とてもスムーズで親切な対応であった。





今回レンタルさせて頂いたNikon D500は、153点ものフォーカスポイントで動体を捕捉し、約10コマ/秒もの連写速度を誇る動体撮影に特化した機種だ。そして、ファインダーは上位機種の証・丸窓型ファインダーで視野がとても広いのが印象的であった。そして、野鳥を撮りに早速遠征。レンズは、Sigma 150-600mm contemporaryを使用した。すると、視野が広いため、まず鳥を見つけやすい。そして、153点AFのおかげで、かなり素早く動く鳥も追尾でき、綺麗な写真が撮れた。そろそろミラーレスに移行しようかな⋯と思っていたが、D500を使い、一眼レフで極めてみるのも悪くは無い気がした。
牧野由幸
普段はNikon D7500とSigma 150-600mm contemporaryのコンビで野鳥を撮影。機動力重視で、敢えて三脚は使わず、手持ちを貫いている。これまで約180種もの野鳥を撮影。 サークル内では、“とりさん”の愛称で親しまれている。
牧野由幸の使用カメラ
牧野由幸の使用レンズ