
何気ない日常のワンシーンが、ふとした光の入り方や影の落ち方で、まるで映画のワンカットのように見える瞬間がある。
大阪・神戸の街を舞台に、そんな「日常が非日常に変わる瞬間」を切り取っているのが、ストリートスナップを中心に活動する naoya_ts さんだ。
特別な場所ではなく、いつもの街角で生まれるドラマ。
今回は、写真を始めたきっかけから、光と影へのこだわり、愛用機材についてまで、じっくりとお話を伺った。










学生時代から写真そのものは好きで、部屋にお気に入りの写真を飾ることもあったという naoya_ts さん。
しかし当時、カメラは「家族を撮るためのもの」という存在だった。
転機となったのは、何となく始めたInstagram。
そこで目にしたストリートスナップの世界に惹かれ、さらにスマートフォンで撮った写真をフォロワーから褒められたことが、大きな後押しになった。
「自分でもカメラを使いこなせるかも、という勝手な思い込みから始めました」
そう語るように、気負わない一歩が、今の写真表現へとつながっていった。
naoya_ts さんが最も魅力を感じるのは、特別なロケーションではなく、日常の中に差し込む光と影。
街を歩いていると、何気ない場所でも、光の入り方ひとつで景色が一変する瞬間がある。
その一瞬が、まるで映画のワンシーンのように感じられる──そんな場面に強く惹かれるという。
「日常を非日常にしてくれる光と影を探して、いつも街を歩き回っています」
大阪や神戸の街を舞台に、今日もシャッターを切り続けている。

今回選んでくれた写真の中で、特に印象に残っている一枚についても伺った。
普段は情報量の多い写真はあまり撮らないという naoya_ts さんだが、この一枚は例外だった。
複雑に絡み合うラインが人物を囲むフレームとなり、そこに流れるような光が加わったことで、独特の世界観が生まれたという。
「狙いすぎない偶然性」も、ストリートスナップならではの魅力だ。
メインで使用しているカメラは Fujifilm X-T5 と RICOH GR III。
Fujifilmについては、
「日常を特別な雰囲気に変えてくれるカメラ」
と語り、特にフィルムシミュレーションのクラシッククロームは、飽きることのないお気に入りの色味だという。
使用レンズは
中でも XF16mm F2.8 は、派手さはないものの、コンパクトで扱いやすく、しっかりと解像してくれる「ちょうどいい一本」。
スナップにおいて欠かせない存在となっている。
一方、GR IIIは
「今撮りたい!」と思った瞬間に応えてくれる存在。
スマホでは表現できない描写力があり、振り返るとGRだからこそ撮れたシーンが数多くあるという。
偶然の一瞬を逃さないため、咄嗟の判断が求められるストリートスナップ。
しかし、そんな中でも思わぬハプニングは起こる。
GR IIIを取り出そうとして、鞄から出てきたのは……モバイルバッテリー。
そんな“あるある”を経験しながら、
「いつでも冷静な判断は必要ですね」
と、少し照れくさそうに語ってくれた。
おすすめの撮影スポットとして挙げてくれたのは、大阪・神戸の街並み。
特にレトロな建物が多いエリアは、光や人のシルエットが入ることで、一気にドラマチックなシーンへと変わる。
スナップ撮影はもちろん、ポートレートにも相性の良い場所だという。










何気ない日常に、光と影が加わることで生まれる特別な瞬間。
naoya_ts さんの写真は、私たちが見過ごしがちな街の表情を、そっと教えてくれる。
今日もまた、大阪・神戸の街角で、次の物語が生まれるのを待ちながらシャッターを切り続けている。
大阪、神戸を中心に、街中で素敵な光と影を探しながらストリートスナップを撮っています。 時々ポートレート撮影も行っています。
naoya_ts さんの使用カメラ
naoya_ts さんの使用レンズ
大阪、神戸を中心に、街中で素敵な光と影を探しながらストリートスナップを撮っています。 時々ポートレート撮影も行っています。
naoya_ts さんの使用カメラ
naoya_ts さんの使用レンズ