青山裕企さんは、日本を代表する現代写真家の一人です。彼は2007年に「キヤノン写真新世紀優秀賞」(南條史生選)を受賞したことで注目を集め、その才能が広く認識されるようになりました。2010年には、代表作『SCHOOLGIRL COMPLEX』シリーズを写真集として刊行し、累計発行部数は10万部を超える大ヒットを記録しました。また、この作品を原案とした映画『スクールガール・コンプレックス〜放送部篇〜』が2013年に公開され、幅広い分野で話題を呼びました。青山さんの作品は特に青春やノスタルジアと深く結びつき、「瞬間」に込められた美的感覚が多くのファンを魅了しています。
青山裕企さんは、自身の作品を発信するための拠点として「YUKAI HANDS Gallery」(ユカイハンズ・ギャラリー)を設立しました。このギャラリーは、アーティストの視点から創作活動を支え、より深い交流を生み出す場として運営されています。また、設立にはただ作品を展示する場としてだけでなく、写真を通じて人々の感性に訴えかけ、新しい表現の可能性を模索する意識も込められていました。2025年3月には10周年を迎え、これまでの歩みと芸術活動の集大成として記念展『SCHOOLGIRL’S COMPLEX』が開催されます。この10周年記念展は、新作や限定商品の発表などを通して、青山さんのこれまでの活動や作品の進化を振り返る特別な機会となっています。
青山裕企さんの作品には、「青春」というテーマへの深い愛着と鋭い洞察が見られます。彼の代表作『SCHOOLGIRL COMPLEX』シリーズでは、スクールガールたちの日常を通じて一瞬のときめきや淡い憧れ、そしてノスタルジアを丁寧に描き出しています。この作品群には、作者自身が“スクールガール”に抱く複雑な感情や、青春への郷愁が色濃く反映されています。青春という揺れ動く瞬間を写真という静的な手段で切り取ることで、視覚的にも感情的にも豊かな作品が生まれています。
写真家・青山裕企さんが生み出す写真表現は、青春や日常に内包された美を“独自の視点”で切り取る点において革新的です。その視点とは、ありふれたシーンにも特別な意味を吹き込む観察力と感受性のことです。彼は、ただ美しさを表現するだけではなく、表現の背後に潜む「感情」や「物語」を感じさせる作品が特徴的です。さらに、作品を発表する際には社会や文化への批評的な視点を加えることで、新しい次元の芸術表現を開いています。こうした表現は『SCHOOLGIRL’S COMPLEX』シリーズだけでなく、様々な作品における彼の一貫したテーマとなっており、多くの人々を惹きつけてやみません。
「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」は、写真家・青山裕企さんの代表的なプロジェクトのひとつです。このシリーズは、青山さん自身の「スクールガール」に対する特別な想いから生まれました。2006年のスタート当初は、自身が抱える「スクールガールに対するコンプレックス」がテーマでしたが、シリーズが進化すると共に視点が変化し、「スクールガールたち自身が抱えるコンプレックス」へとシフトしていきました。このようなコンセプトの変遷により、作品にはより深い人間的なドラマと真実味が加わり、観る者の心に訴えかける独特の魅力を持つようになりました。
「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」は、青春という時代の美しさと切なさを視覚的に捉えたシリーズです。制服に包まれた学生の姿は、特定の記憶や感情を呼び起こし、観る者にノスタルジックな感覚をもたらします。青山裕企さんの作品には、青春の儚いひとときや、そこに秘められた複雑な感情が映し出されており、その表現は時代を超えて普遍的なものといえます。まるで過去の自分や、誰もが体験した「あの頃」に引き戻されるような独特の体験が、このシリーズの魅力です。
日本の「制服文化」は、世界的にも非常にユニークな特徴を持つ文化です。特に女子高生の制服姿は、日本の社会において清潔感や可愛らしさ、ひいては青春の象徴として描かれることが多々あります。青山裕企さんの「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」は、この制服文化をテーマにしつつ、ただ表面的な美しさにとどまらず、彼女たちが日常の中で感じている心の内面や、その裏に潜む人間関係の複雑さまでも浮き彫りにしています。この深みある表現は、制服を通じて「青春」という時代の多面的な魅力を描き出す大きな成功の一因となっています。
「ガールズコンプレックス」とは、特に日本において女性特有の感情や関係性に対する複雑な思いの象徴といえます。「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」シリーズは、そうした現代日本の文化と深く結びついています。青山裕企さんの作品は、学生時代の日本社会特有の規範や人間関係、そして「制服」という非日常的なアイテムが持つ力を巧みに利用して、青春期の内面的な美しさと葛藤を美しくもリアルに表現しています。このように、「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」は日本文化の中でガールズコンプレックスを芸術的に昇華させた稀有なシリーズとして位置付けられています。
YUKAI HANDS Gallery(ユカイハンズ・ギャラリー)は、写真家・青山裕企さんをはじめ、個性的なアーティストたちが幅広い展示を行ってきた、独自性の高いギャラリーです。この10年間の歩みを振り返ると、青山裕企さんの写真世界を国内外に発信し続けてきた中心的な役割を担ってきたことが分かります。特に「SCHOOLGIRL COMPLEX」シリーズの活動を通じて、青春や制服文化に焦点を当てたテーマが多くの人々の記憶に刻まれたことは、ギャラリーの成長と共に大きな節目を迎えました。
2025年3月20日(木・祝)〜3月30日(日)に開催される、YUKAI HANDS Gallery 10周年記念展 Part.2「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」では、青山裕企さんの新作が特に注目を集めています。
2006年から続くプロジェクト「SCHOOLGIRL COMPLEX」の変遷をたどりながら、新たに制作された作品が展示されています。このシリーズでは、当初の「自分自身のスクールガールへのコンプレックス」という視点から、スクールガール自身の内面的な感情や葛藤へとテーマが深化しており、日本独特の文化や青春の情緒を繊細に映し出した作品へと展開しています。
本展覧会の見どころは、旧作と新作が複合的に展示されることで浮かび上がる「シリーズの進化と核心」。2006年からの連続した物語が新たに見直される構成は、時代ごとのスクールガール像を追う興味深い体験となります。また、3月20日と30日に行われるオープニング・パーティーやクロージング・パーティーは、作品への理解を深めつつコミュニティ感を味わえる特別なイベントです。
さらに、150部限定のZINEが現地で発売されるため、コレクターズアイテムを手に入れる機会としても魅力的です。
青山裕企さん本人によるトークイベントは、ファンや新たに作品を知る人々にとって見逃せない機会です。青山さんが創作の背景や「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」のテーマについて語ることで、作品が抱える内面的な深みや作者の視点を直接感じることができます。さらに、このトークイベントは今後の作品や展覧会への期待感を高め、青山裕企さんの写真世界をより深く理解する絶好の場となっています。
写真家・青山裕企さんは「青春」という普遍的なテーマを独自の視点で切り取ることで、見る者に深い共感を呼び起こします。その作品には、彼自身の内面的な思いだけでなく、被写体の少女たちが持つ瑞々しさや不安定さが映し出されており、普遍的な「青春の美学」が存在します。青山さんの代表的なプロジェクト「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」においては、スクールガールたちの日常的な仕草や雰囲気にフォーカスし、同時に彼自身が抱えるコンプレックスも込められています。これにより、鑑賞者は作品を単なる視覚的な体験以上に、「青春」を共有する感覚として受け止めることができるのです。
「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」というシリーズは単なる写真作品にとどまらず、現代アートの新しい可能性を切り開いています。青山裕企さんが提案するこのプロジェクトは、写真表現を基盤にしながらも、感情や記憶、文化的背景など複数の要素が絡み合う作品群です。シリーズを象徴するのは制服文化という日本独自のテーマであり、それが青山さんの感性によって現代アートとして再構築されています。これにより、「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」は写真とアートの境界線を越え、アートとしての深みと同時に視覚的な魅力を持つプロジェクトへと進化しました。
青山裕企さんの作品が強く心に残る理由の一つは、観る者の感性を刺激する独自の構図やコンセプトにあります。「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」シリーズでは、思春期特有のかすかな不安や輝きを感じさせる写真表現が光ります。その作品はどこか懐かしく、同時に新鮮で、それぞれの鑑賞者が持つ「青春」の記憶を呼び覚ます力があります。制服文化が持つ象徴性や非日常的な空気感も作品の特色であり、カジュアルでありつつも深みのある構図は一度観たら忘れられない印象を残します。この視覚体験が、観る者の創造力や感情に新しい刺激を与えているのです。
青山裕企さんの「SCHOOLGIRL’S COMPLEX」をはじめとした作品群は、現代アートシーンに多大な影響を与える可能性を秘めています。彼の写真は単なる作品の範囲にとどまらず、鑑賞者一人ひとりに「感じるアート」の重要性を問いかけ、その価値を再認識させています。また、写真という媒体を通じて、青春や制服文化をテーマに深く掘り下げる新しい取り組みは、後進のアーティストたちにとっても刺激となるでしょう。「YUKAI HANDS Gallery」の10周年記念展がそれを示すように、時を経てもその魅力が色褪せることのない彼の作品は、今後もアート界の中で進化と挑戦を続けるはずです。
会期:2025年3月20日(木・祝)〜3月30日(日)
開廊時間:13:00〜19:00
休廊日:3月24日(月)〜26日(水)
入場料:無料
会場:YUKAI HANDS Gallery(ユカイハンズ・ギャラリー)
住所:112-0014 東京都文京区関口1-30-9(MAP)
アクセス
有楽町線「江戸川橋駅」1a出口より徒歩10分
東西線「早稲田駅」1出口より徒歩10分
都電荒川線「早稲田駅」より徒歩7分
電話:03-6826-0415
アールイーカメラは、2007年に「株式会社アキバ流通」として神田佐久間町で 創業し、家電卸売業と並行してカメラの買取販売を開始しました。 その後、2009年に外神田へ移転し、事業規模を拡大。2015年には現在の店舗がある御徒町へ移転しました。2018年からはカメラ事業に本格的に注力し、 「アールイーカメラ」としての活動をスタート。 現在に至るまで、カメラ愛好者の皆様をサポートし続けています。
アールイーカメラの使用カメラ
アールイーカメラの使用レンズ