
キラキラと輝く夜の景色。綺麗な夜景を前にいざカメラを構えると、思ったより暗くなってしまう、目
で見た美しさを表現できないといった経験から、夜景撮影に苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか。
一見難しそうに思える夜景撮影ですが、コツさえつかめば誰でも美しい夜景を撮ることができます。
本記事では、夜景撮影の基礎知識や便利な周辺機材に加え、撮影テクニックまで詳しく解説。
魅力的な夜景を思い通りに切り取って、夜の撮影を楽しみましょう!

夜景を撮影するときは、以下3つのポイントをおさえましょう。
1.十分な明るさを確保し、適正露出にする
2.手ぶれを防ぐ
3.ノイズを抑える
暗くなりがちな夜景撮影では、なるべく明るさを確保することが大切です。カメラの設定で明るく写
すことはできますが、手ブレやノイズといった問題が起こりやすくなります。これらを防ぐため、夜
景撮影に適した設定や撮影のコツを実践しましょう。
撮影モード:マニュアルモード、Sモード
シャッター速度:1/80秒~30秒
絞り:F2.8~F11
ISO:100〜1600
基本的にはマニュアルモードやSモード(シャッター速度優先モード)で、シャッター速度とISOを調節して明るさを決めます。シャッター速度を1/50秒以下に設定し、光を取り込む時間を長くすれば、十分な明るさを確保できます。
ISO感度はノイズを抑えるため、なるべく1600以下に設定しましょう。絞りはF8~F11を目安にすると夜景全体にピントが合いますが、暗い場所で撮影したり、背景をぼかしたい場合はF値を下げて撮影するのもおすすめです。

手持ち撮影の場合、脇をしっかりと締めて腕を固定します。カメラやレンズが大きいほど腕に負担がかかるため、軽くて持ちやすいものを選びましょう。手ぶれ補正があるカメラやレンズもおすすめです。
手ぶれしないシャッター速度の目安は「1 / レンズの焦点距離」秒以上です。
50mmレンズなら1/50秒、35mmなら1/35秒以上となります。

夜景撮影はシャッター速度を遅く設定するため、シャッターを押すわずかな振動で写真がぶれてしまうことがあります。セルフタイマーでシャッターをカメラに任せれば、ぶれずに安定して撮影できます。
夜景撮影をサポートしてくれる便利なアイテム・機材をご紹介します。

三脚でカメラを固定すれば、写真のぶれを抑えることができます。長時間露光を活用すれば、夜景写真の表現の幅もぐっと広がります。
三脚を設置するときは周囲への配慮を忘れずに。人が集まる公園や展望台では使用が禁止されていることがあります。必ず事前に撮影スポットの利用案内を確認しましょう。

レリーズはシャッターを遠隔で操作するアイテムで、シャッターを押すときのぶれを防ぐことができます。長時間露光など、セルフタイマーが使えないときに便利です。

レンズに装着したフードをガラスに密着させると、写り込みや反射を防ぐことができます。屋内か
ら窓越しに夜景を撮影するときに便利で、室内の照明や自分の影などの映り込みを防ぐことがで
きます。

C-PL(偏光)フィルターはガラスや水面の反射を抑えることができます。ただし、正面からの反射には効果がなく、30〜40度の角度で最も効果を発揮します。

仕切りのあるバッグを選べば、暗い場所でもスムーズに機材を取り出せます。機材をしっかり保護するため、クッション性の高いバッグがおすすめです。
ここからは、代表的なシーンを例に、それぞれの特徴に合わせた撮影テクニックやカメラ設定、構図の考え方を実際の作例とともに解説します。
夜景の魅力をより引き出すコツを知ることで、どんなロケーションでも自分の思い描く一枚に近づけるはずです。

カラフルなネオン街は夜景撮影にぴったりのスポットです。F8以上のパンフォーカスで全体をはっきりと写すことで、煌びやかで生き生きとした都心の雰囲気になります。対角線構図で立体感を出したり、人物を入れてストーリー性を持たせてみるのもよいでしょう。

ビル群や交通網を写した夜景は情報量が多くなりがちなので、抜け感を作ることがポイント。作例では中央には背の高いビルを配置せず、夜空を少しだけ入れることで空間を演出しました。
さらに道路が奥へと続いていることで、視線が自然と遠くへ誘導され、奥行きのある構図になっています。

三脚を設置してシャッター速度を遅くすると、車やバイクの光跡を写した幻想的な写真が撮影できます。ヘッドライトの白とテールランプの赤が交差して、夜景ならではの色彩を生み出すこともできます。
こちらの作例は、東京タワーの展望台から撮影した一枚。道路の形が東京タワーのように見えるとっておきスポットです。高速道路のジャンクションなど、複雑な構造をした場所を狙えば、さらに印象的な夜景写真に仕上がります。

リフレクションは対称構図や二分割構図でシンプルに魅せるのが効果的。この写真は、工場夜景の光が静かな水面に映り込み、夜色のグラデーションと多彩な照明が深みのあるリフレクションを生み出しています。水面やガラス、道路に反射する光をメインに、画面のバランスを均一に整えるとリフレクションの美しさがストレートに伝わります。

ライトアップやイルミネーションは、さまざまな設定と構図を試すのがおすすめです。
作例では広角でF値を上げ、街路樹の奥行きや華やかなイルミネーションをシャープに表現しました。
反対に、望遠でF値を下げて玉ボケを入れれば、ロマンティックで柔らかな印象になります。
イルミネーションの光源は高速で点滅しているため、シャッタースピードを速くしすぎると、明かりが消えたタイミングで写ってしまうことがあります。綺麗に光をとらえるため、1/50秒以下を目安に設定しましょう。

トワイライトタイムのグラデーションは、限られた時間でしか見られない特別な風景。太陽の明るさが残っていて光を取り込みやすく、初心者におすすめのタイミングです。
こちらの写真は、日が沈んだあとの静かな港を、長時間露光でしっとりと描いた一枚。
F22、5秒という設定で撮影することで、空の滑らかなグラデーションと工場夜景の灯りがくっきりと描き出されています。

空のグラデーションと街の灯りのバランスを見ながら露出を調節することで、トワイライトタイムならではの深みある雰囲気を表現できます。
この作例ではトワイライトタイムと車の光跡を組み合わせ、薄暮の柔らかな光と、長時間露光による車の鮮やかな光跡を対比させました。一日の終わりの緩やかな空気感を捉えた一枚です。

絞って強い光源を撮影すると、光が放射線状に伸びる「光条」が現れ、夜景をより華やかに彩ることができます。光条はレンズの絞り羽根や絞りの形状によって形が変わるのも面白いいポイントです。
被写体との距離や光源の配置を工夫すれば、光条をアクセントにした表現も可能になり、作品に奥行きと印象的な輝きを加えられます。

直線や曲線が入り混じる橋の上で、外灯の光条と道路を走る車やバイクの光跡を捉えた一枚です。
煌びやかにライトアップされた都会のスタイリッシュな雰囲気を、光条が鮮やかに演出しています。
光跡は前から奥に伸びる構図で捉えて、動きや奥行きを出すとダイナミックな印象になります。
夜景写真に物足りなさを感じる方は、長時間露光で光跡を活かした撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか。
高感度性能と5軸手ぶれ補正を備え、夜景撮影に適したカメラです。暗所でもノイズを抑えて撮影
でき、明るいレンズと三脚を併用すれば、光のきらめきや街並みをよりクリアに描写できます。
センサーサイズ:フルサイズ
有効画素数:約1210万画素
重量:約699g(バッテリー、メモリーカード含む)
APS-Cセンサーと28mm相当のレンズを搭載する人気コンデジ。軽量かつ携帯性に優れ、サッと取り出せるので撮影チャンスを逃しません。ISO100〜3200に対応しているため、夜景や暗所での撮影にも強い一台です。
センサーサイズ:APS-C
有効画素数:約2424万画素
重量:約257g(バッテリー、メモリーカード含む)
広角から中望遠までカバーするズームレンズで、全域で開放F2.8をキープ。光をしっかり取り込み、低ISOでノイズを抑えた撮影が可能です。逆光に強く、街灯やネオンの多い夜景や、反射の多いシーンでもフレアやゴーストを抑制します。
レンズマウント:ソニー Eマウント
センサーフォーマット:フルサイズ
重量:約886g
SIGMAならではの高い描写性能で、夜景の細部までくっきりと描写。逆光や収差を抑えた、ハイクオリティな夜景を演出できます。超広角域の14mmから24mmの画角は街や夜空を広く写せるため、夜景撮影にぴったりです。
レンズマウント:Lマウント、ソニー Eマウント
センサーフォーマット:フルサイズ
重量:Lマウント 645g/ソニー Eマウント 640g

夜景撮影はちょっとした知識やコツをおさえておくことで、より美しく格別な仕上がりになります。
新しい機材やロケーション、テクニックを学んで撮影に挑戦すれば、夜景表現もさらに豊かになるでしょう。
ぜひ今回ご紹介した内容を活かして、夜景の撮影を楽しんでみてください!

朝香凪咲・内倉可南子(三和オー・エフ・イー)
旅が大好きなライターコンビです。旅行ガイドや登山の情報を中心に執筆しながら、カメラを片手
に風景や人、動物、植物のスナップを楽しんでいます。
コンパクトな機材、オールドレンズが好みで、気軽に出かけては撮った写真を記事に生かしています。
朝香凪咲・内倉可南子(三和オー・エフ・イー)
朝香凪咲・内倉可南子(三和オー・エフ・イー) 旅が大好きなライターコンビです。旅行ガイドや登山の情報を中心に執筆しながら、カメラを片手 に風景や人、動物、植物のスナップを楽しんでいます。コンパクトな機材、オールドレンズが好み で、気軽に出かけては撮った写真を記事に生かしています。
