【カメラ機材の豆知識】広角レンズとは
【カメラ機材の豆知識】広角レンズとは
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カメラのレンズは、写真表現の幅を大きく広げてくれるアイテムです。特に広角レンズは、特性を
理解して使いこなせるようになると、他のレンズにはないダイナミックな写真表現ができるように
なります。
この記事では、広角レンズの特徴や使いこなすコツを解説します。広角レンズの導入を検討して
いる方や、広角レンズの使い方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

広角レンズとは?

広角レンズとは、広い画角で広範囲を写すことのできるレンズをいいます。一般的に焦点距離が
35mm以下のレンズと呼ばれ、20mm以下のレンズを超広角レンズということも多いです。
人間の視野よりも広い範囲を写せるため、インパクトの強いダイナミックな写真を撮りたいときに
よく使われます。
広角レンズを使うと、標準レンズでは絶対に見られない世界を見ることができます。「いつも同じ
ような写真を撮ってるな…」と悩む方にも広角レンズはおすすめです。

広角レンズの特徴

写る範囲が広い

広角レンズの1番の特徴は、焦点距離が短く、画角が広いことです。20mm以下のレンズであれ
ば、自分が見えている範囲よりも広い範囲を写してくれます。
広い画角を活かして、広角レンズは風景や星空、ポートレートまでさまざまなシーンで使われま
す。
また、景色を広く写せるだけでなく、被写体に近寄って背景を広く捉えるような構図を作れること
も特徴です。

SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN、絞りF2.8、シャッタースピード1/1250s、ISO160、焦点距離10mm(35mm判換算15mm)

写真1枚の中に多くの情報を入れたい場合に、広角レンズは大活躍するでしょう。

ピントの合う範囲が広い

広角レンズの特徴の一つに、被写界深度の深さがあげられます。つまり、絞り値をそれほど上げ
なくても、全体にピントが合いやすいということです。
ピントが合う範囲が広いことで、中心となる被写体だけでなく、周囲や遠くの背景まで明瞭に写す
ことができます。このことから、広角レンズは風景撮影に適しているといわれることが多いです。

パース効果で遠近感が誇張される

広角レンズを使うと、パース効果が生まれます。つまり、「近くのものはより大きく、遠くのものはよ
り小さく」という具合に、遠近感が強調されるのです。
遠近感を強調すると奥行きのある写真に仕上がるため、ダイナミックな写真を撮ることができま
す。

広角レンズの使い方のコツ

パースペクティブを活かす

広角レンズらしい写真を撮るためのコツは、パースペクティブ(遠近感)を活かすことです。焦点距
離が短くなればなるほど、遠近感はより誇張されます。

この効果をうまく利用するには、構図を工夫することが重要です。たとえば、メインに写したい建
造物を奥に配置し、手前に手すりや木の枝を大きく入れることで奥行き感のある写真に仕上がり
ます。

SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN、絞りF9、シャッタースピード1/80s、ISO160、焦点距離10mm(35mm判換算15mm)

パース効果を積極的に取り入れて、ダイナミックな印象の写真を撮ってみましょう。

パンフォーカスを活かす

広角レンズは無理に絞り値を上げることなく、画面全域にピントが合いやすいことが大きな特徴
です。
標準域や望遠域でパンフォーカスを狙うならば、絞りをF8〜13ほどに設定することが多いでしょ
う。しかし、広角域であれば、以下の写真のようにF4程度でも手前から奥までピントを合わせるこ
とができます。

SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN、絞りF4、シャッタースピード1/2s、ISO1600、焦点距離10mm(35mm判換算15mm)

この特性の利点は、絞り値を上げる必要が少ない分、シャッタースピードを早くできることです。
光量が少ない夜や室内での撮影、ストリートスナップなどで恩恵を感じられます。

歪みに注意する

広角レンズを使う注意点は、画角の周辺部分にある被写体が引き延ばされたように歪んで見え
ることです。
建築物などをまっすぐに写したい場合は、歪みが発生していないか注意するようにしましょう。

SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN、絞りF2.8、シャッタースピード1/25s、ISO2000、焦点距離10mm(35mm判換算15mm)

また、モデルの方を画角の端に置くと顔が伸びてしまいかねないため、ポートレートで広角レンズ
を使う際も注意が必要です。
被写体を構図の中心に配置したり、カメラやレンズの補正機能を活用したりして撮影してみましょ
う。

写すものを整理する

広角レンズは広い範囲を写すため、写したくないものまで画角に入ってしまうことが難しいポイン
トです。後から見返したときに、電線や信号機など想定外のものが写り込んでしまっていることに
気づいて、後悔することになりかねません。
広角レンズを使う際は、シャッターを押す前に画角の隅々までチェックを怠らないように意識しま
しょう。

広角レンズを活かすシーン

自然風景

広角レンズは自然風景撮影に適しているといわれます。
広い画角とパース効果で、目の前の風景をよりダイナミックに写すことが可能です。

XF16-55mm F2.8 R LM WR、絞りF11、シャッタースピード1/90s、ISO160、焦点距離16mm(35mm判換算24mm)

また、パンフォーカスで画面全域にピントが合った解像感抜群の写真を撮れることで、鮮やかな
風景写真に仕上げられます。

建築物

大きなビルや寺院などを限られた場所で撮影しようとすると、広角レンズが必須です。構図を工
夫すれば、よりカッコよく写すこともできるでしょう。

SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN、絞りF9、シャッタースピード1/60s、ISO160、焦点距離10mm(35mm判換算15mm)

歪みでまっすぐ写らないこともあるため、注意が必要です。

狭い空間

広角レンズは、狭い空間を広く見せることも得意です。木々や花畑を見た目以上に広大な景色と
して写すこともできます。

SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN、絞りF11、シャッタースピード1/120s、ISO160、焦点距離10mm(35mm判換算15mm)

また、室内で部屋全体を写したい場合も広角レンズが活躍します。旅行先のホテルの室内をかっ
こよく切り取ってみるのもいいでしょう。

星空

星空撮影には広角レンズが最適といわれています。焦点距離の長いレンズで星空を撮影する
と、自転による星のブレが目立ちやすくなるからです。

XF16-55mm F2.8 R LM WR、絞りF2.8、シャッタースピード15.0s、ISO2500、焦点距離16mm(35mm判換算24mm)

また、広角レンズを使うことで満天の星を余すことなく写すことができます。星空を撮りたい方は、
ぜひ広角レンズを手に入れましょう。

まとめ

広角レンズは、特性を理解して使いこなすことで、風景撮影からポートレートまで幅広く活躍してく
れます。画角の広さやパース効果を活かして構図を工夫することで、広角レンズの魅力を存分に
引き出した写真撮影を楽しんでみてください。

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