朝の新鮮な景色を撮影して普段いつもと少し違う作品づくりをするためのテクニック
朝の新鮮な景色を撮影して普段いつもと少し違う作品づくりをするためのテクニック
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朝の撮影では、普段はあまり見慣れない被写体があちこちにあったりします。
早起きの習慣がない人にとって、それはとても新鮮で魅力的なものだったりするのではないでしょうか。
写真を撮る人なら、見慣れない景色やモノを写真として切り取っておきたいと思いませんか?
今回はそんな、朝ならではの撮影についていろいろとご紹介していきます。
普段から朝は苦手というのであれば、こんな朝撮影にチャレンジして、その魅力に気づいたら、早起きの習慣が自然に身につくようになるかも知れません。

マジックアワーは夕方だけではないことを再確認

写真を撮っている人にとって、マジックアワーと呼ばれる時間帯は名前の通り魔法のような作品を仕上げるのに最適な時間帯です。
一般的にはマジックアワーというと日没直前の夕方を指しますが、日の出前後の朝の時間帯もまた同じ理屈で景色が独特の色に染まっています。
作例ではそんなマジックアワー直後の空を見上げて撮影してみました。
爽やかな朝の青空のフレームに、飛行機雲のような細長い雲と少し欠けた月のツーショットをおさめることができました。
地平線の際は日が昇る方向と反対の方角ですが、オレンジがかったマジックアワーならではのトーンになっていて、ブルーから淡いオレンジへの繊細なグラデーションを表現しています。
月のアップはトリミングで拡大していますが、クレーターの濃淡がうっすらとわかります。

印象的な色を見せる朝の空気の色

マジックアワーの醍醐味といえばやはり、地平線にかかる太陽の光と空の青さのコントラストでしょう。
これを表現できる条件は、どピーカンよりも、雲がかかっていた方がベターです。
作例ではやや力強い雲がまだ少し薄暗い青空にかかって、雲に反射する日の出の色とのコントラストを演出しています。
マジックアワーの色彩を強調したい場合は、後処理のLightroomで「自然な彩度」をあげ、若干色味を強調してみても良いでしょう。
全体的なタッチとしては、あまりカリカリにエッジを立てるようなレタッチにしてしまうと、朝の雰囲気が崩れてしまうかも知れません。
ですから適度にソフトさを残しながら、朝ならではのカラーやトーンを演出してみてください。
朝の光や景色を撮影する際には、色温度をできるだけ青寄りにしてみると良いでしょう。
イメージ的にオレンジがかった光は夕日のイメージが強く、たとえ朝に撮影したとしてもホワイトバランスがオレンジ寄りになってしまっていると、夕方っぽく見えてしまいます。
撮影時にホワイトバランスが設定できていなくても、後処理のLightroomで色温度の数値を変更すれば、朝らしいカラーを表現できます。

朝ならではの景色を見つけてみよう

夜明け直後の時間帯の景色というのは、よほど早起きして出社するような人たちでなければ、あまり目にする機会がないはずです。
例えば作例のように、まだ街灯の明かりがついたままの薄ぼんやりとした空の色。
どこか違和感を感じさせるこのコンビネーションは、被写体の種類やロケーションによっては、印象的な一枚として切り取ることができるはずです。
地元の街並みでも、このような見慣れない街灯の明かりにフォーカスすれば、新鮮な景色としてみることができるはずです。
あるいは押しボタン式信号の金属ボタンボックスのようなありふれた小物でも、朝の空気と共にフレーミングすれば、作品っぽい仕上がりになるかも知れません。 朝という特別な時間帯に、普段とはちょっと違う角度から見慣れた景色を改めて観察すると、新しい発見がたくさんあるのではないでしょうか。

見慣れた花や植物も朝見ると少しだけトーンが変わる

朝というのは、何もかもがまるで新しく生まれ変わったような、フレッシュな時間帯です。
そんな特長を活かすのなら、身近にある植物に注目しても良いでしょう。
季節ならではの花や葉は、朝の光に照らされると特別な表情を見せてくれるかも知れません。
作例ではこの時期、短期間しか見ることのできないキンモクセイを撮ってみました。
明るい昼間の光の色とはまた少し違う、やや朝霧の霞がかかったような、儚げな花を上手に捉えることができれば、早起きした甲斐もあるというものです。
見慣れているはずの植栽の葉も、朝ならではの姿を見せてくれます。
理想的には朝露がこぼれるようなシチュエーションが望ましいのですが、もしそうでなかったら自前で霧吹きを用意して、適度に潤いを与えてから撮影しても良いかも知れません。
もし充分に撮影時に朝らしさが表現できていなかったとしたら、霞んだ感じや潤いのイメージを、レタッチで強調することも1つのテクニックでしょう。

人やクルマが少ない景色が撮れるのも朝撮影のメリット

朝の空気感を捉えるのが、朝の撮影のポイントとなりますが、それ以外にも朝のメリットを活かした撮影方法も考えられます。
例えば、普段は人やクルマが行き来する町の景色を、無人のガランとした朝のシチュエーションで捉えてみるというものです。
道路や建物などを、見慣れた人混みとは異なる時間帯で撮影できれば、そもそもの構造物としての美しさが撮影できるはずです。
作例では日中はクルマが行き交う道路を、まだほとんど通りのない時間帯に撮影し、パースペクティブをより強調した表現として撮影。
さらに奥の方には朝の陽光がわずかに漏れる状況を捉え、秋めいてきた街路樹の色のコントラストが目につくような一枚となりました。

長く伸びる影が新鮮なシルエットを演出

朝の光のもう一つの特長は、影にあります。
陽光と同じように長く伸びる影は、それだけで十分魅力的な被写体となるはずです。
作例のように、何の変哲もないコーンでも、朝の光で現れた長い長い影を主人公に仕上げ、切り取り方によっては立派な作品として成立するようになるはずです。
もちろん自然の姿もまた、影を見せる被写体として充分役立ちます。 ちょっとした植栽も、朝日の長い影にフォーカスすれば、新鮮な視覚効果で表現できます。

まとめ

朝の光は夕方とはまた少し違う、独特のトーンとなっています。
普段はカメラを持ち歩かないような時間帯でしょうから、あえてこの時間に歩きながら撮影してみると、新しい発見がたくさんあるはずです。
もちろん写真として楽しむことの他に、朝の散歩を定期的にするようになれば、新しい健康的な習慣が身につくようになるかも知れません。
いつもと少し違う時間帯に、いつもよりも少し足を伸ばしてフォトウォークを試し、新しいカメラの楽しみ方を見つけてみてください。

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