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【ミラーレスカメラ×オールドレンズ】Nikon Ai-S Nikkor 50mm F1.2レビュー!ソニーαシリーズに合わせる癖強オールドレンズの魅力

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【ミラーレスカメラ×オールドレンズ】Nikon Ai-S Nikkor 50mm F1.2レビュー!ソニーαシリーズに合わせる癖強オールドレンズの魅力

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内倉 可南子 さん

旅行情報を中心に執筆を行う。 趣味は旅行、カメラ。風景や人、動物を撮るのが好き。被写体としてモデルも兼任する。 株式会社三和オー・エフ・イー所属。

内倉 可南子 さんの使用カメラ

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ソニー α7C II ILCE-7CM2 ボディ

内倉 可南子 さんの使用レンズ

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ニコン Ai-S Nikkor 50mm F1.
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やわらかい描写と強いボケ感、独特な味わいが人気のオールドレンズ。最新のデジタルカメラと
組み合わせることで、だれでも気軽に味わいのあるオールドレンズを楽しむことができます。
今回は、オールドレンズのなかでも癖が強いニコンのオールドレンズ、「Ai-S Nikkor 50mm F1.2
の特徴や魅力をレビューしていきます。ミラーレス一眼「ソニーα7C II」に装着して撮影してみた
レビューを紹介します。

【Ai-S Nikkor 50mm F1.2】の特徴

Nikkorレンズは、外国に頼っていたレンズを国産化したいという思いから生まれたレンズです。レ
ンズの名称は、当時の社名「日本光学工業」の略称である「NIKKO(日光)」と、レンズの名前の
末尾によく使用されていたアルファベット「R」を合わせて「NIKKOR(ニッコール)」となりました。
Ai-S Nikkor 50mm F1.2レンズは、1978年に発売されたAi 50mm F1.2 と1981年に発売された
Ai-S 50mm F1.2の2種類があります。のちに発売されたAi-Sは、Aiよりもフィルムカメラでの撮影
モードが増えていたり、軽量化しているなどの違いがありますが、デジタルカメラで撮影するとき
はどちらもほぼ同じ機能と性能です。
Ai-S 50mm F1.2は、絞り開放F1.2でNikkorではもっとも明るく、雑なボケ感が特徴の単焦点のレ
ンズです。オールドレンズで人気の単焦点レンズはF1.4〜F2.8ですが、さらに強い明るさやボケ
感を求める人におすすめのレンズ。夜景など暗い場所での撮影でも楽しむことができます。
焦点距離は50mm標準レンズで汎用性が高く、自然なポートレートやスナップ写真などに適して
います。開放F1.2で撮影するとボケが強くやわらかい印象になり、ソフトな表現の写真を撮りたい
人にぴったりのオールドレンズです。

レンズスペック
以下はAi-S Nikkor 50mm F1.2の基本スペックです。
メーカー:ニコン
マウント:ニコンFマウント
レンズ構成:6群7枚
絞り羽根枚数:9枚
実測値:約360g
発売年:1981年
わずか数年ほど前まで現行で販売されていたレンズということから、人気の高さが分かるAi-S Nikkor
50mm F1.2。中古販売でも他のオールドレンズと比べると少し強気な値段での販売となっていま
す。大口径ではありますが、ずっしり重い印象はなく、ミラーレスカメラと合わせるとぴったりなサ
イズ感になりますよ。

Ai-S Nikkor 50mm F1.2とSony α7C IIの組み合わせでオールドレンズを楽しむ

Ai-S Nikkor 50mm F1.2をソニーα7C IIに装着するには、マウントを変換するアダプターが必要で
す。マウントアダプターを使用してデジタルカメラで撮影することで、オールドレンズの持つ味わい
を現代のカメラ技術で再現することができます。
今回の撮影で使用したマウントアダプターは「K&F Concept KF-NFE2 (ニコンFマウントレンズ
→ ソニーEマウント変換)」です。
ニコンのカメラには、フィルムカメラ時代から使用されている「Fマウント」と、ミラーレスカメラZシ
リーズとともに誕生した「Zマウント」の2種類のマウントがあります。オールドレンズのNikkorはF
マウントなので、Fマウント変換アダプターを購入しておきましょう。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/320 f1.2 ISO50

ここからは、実際にAi-S Nikkor 50mm F1.2を使って撮影した作例をご紹介していきます。
作例を探しに豊洲エリアに行ってみました。近代的で都会的な印象の強い豊洲ですが、オールドレンズ
で撮ってみると周辺減光が出て、ひと昔前へタイムスリップしたようなシネマチックな1枚になりました。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/320 f1.2 ISO50

葉っぱの色が緑から紅葉へ変化している様子が撮れました。中心にある緑の葉っぱたちにしっかりとピ
ントがあたり、周辺はクセのあるボケがでています。まさにオールドレンズで撮ったと分かる1枚になりました。Ai-S Nikkor 50mm F1.2の開放で撮るからこそ生まれるボケ味が立体感を表現しています。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/120 f1.2 ISO100

オールドレンズを持って現代アートの没入型体験ができる施設に行ってみました。
無数のライトが視界いっぱいに広がるこちらのエリアは、暗い部屋での撮影なので低F値であることがメリットになります。
あえて綺麗にピントを合わせずに撮ることによって、カラフルなライトの光がじんわりと滲んで、ふんわり可愛いらしい1枚に。
玉ボケの形が、中心部はまん丸状、周りに広がるにつれてレモン型になっているのも特徴的な写り方で
す。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/320 f1.2 ISO320

一面ガラス張りの部屋の天井からたくさんの草花が釣り下がっているエリアです。
紫と黄色が綺麗なお花にピントを合わせて撮ってみました。鏡張りで明るい部屋ということもあり、ピントの合ったお花以外の部分は大きく滲んだ玉ボケがでています。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/250 f1.2 ISO160

もんじゃ屋さんの入口。
豊洲をぶらりとしたあとは、もんじゃ焼きを食べに月島へ移動しました。誠心誠意営業中と書かれた看板を撮影。開放で撮りましたが看板の形や文字はくっきり、現行現行レンズのように綺麗に写ったように感じます。背景のボケを見るとガラスに反射したライトの玉ボケからオールドレンズっぽさも垣間見える1枚です。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/250 f1.2 ISO200

もんじゃ焼きの赤ちゃん(焼く前)。
器いっぱいに盛り付けられたもんじゃの具材たちがふんわり写りました。50mmという距離感は飲食店
の席からテーブルの上の被写体を目がけて、引き気味に撮る必要があったので若干の難しさを感じまし
た。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/500 f1.2 ISO50

ここからは豊洲から離れて作例探しです。こちらは銀座で、光が差し込む小道を撮った1枚。
ビルの間から道に差し込んだ強い光によって、建物や人物など被写体の境界線が薄れ、フレアがでた
状態になりました。ふんわりとした写りが現行レンズでは出せないような趣きを表現しています。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/160 f1.2 ISO64

散策していて見つけた赤と黄色の小さなお花。
被写体のじんわりとした写りと背景のボケ具合にオールドレンズっぽさを感じます。Ai-S Nikkor 50mm
F1.2のレンズは色乗りもしっかりと表現できているのが印象的です。

ポートレート

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/800 f1.2 ISO50

ここからはポートレートの作例を見ていきます。Ai-S Nikkor 50mm F1.2でのポートレートは近所の公園で自撮りに挑戦してみました。ピントが合う距離感を見つけるのに苦戦しましたが、体の部分に虹ゴーストが出ているのがわかります。左からの強い光が顔の輪郭や体のラインを淡く映し出しています。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/1250 f1.2 ISO50

冬の夕方の日差しが斜めに入ることによってうっすらとゴーストがでています。
背景の滲むようなボケ感が、太陽の光に照らされた顔輪郭をはっきりと映し出してくれました。
オールドレンズは基本マニュアルフォーカスですので、自撮りをする時にピントを合わせるのが難しいです。
今回はカメラを撮りたい位置でしっかり固定し、何度も試し撮りをしながら少しずつピントを合わせていきました。
リモートスイッチや遠隔操作ができる手法を使うとよりスムーズに撮影できるでしょう。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2:左/1/125 f1.2 ISO50、右/1/60 f8 ISO640

F値を開放で撮ったものと、F8で撮ったものを並べて比べてみます。
左側が開放のF1.2で撮った写真です。ピント部分を中心にだんだんとボケが広がっています。被写体と背景の差をつけたいときなどにぴったりです。
右側のF8は葉っぱの輪郭がすべてくっきり見えており、現行レンズのようにはっきりと綺麗に写ることが分かりました。

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/80 f1.2 ISO800

F1.2という開放値は夜の風景を撮るのに最適です。あえてピントをぼかして撮ってみた交差点での作例
は、車のライトや信号、電灯などが玉ボケになっています。
玉ボケでもきれいな丸ではなく、レモン型になっていたり、ゆがんでいたりと個性的な写りになりました。

Ai-S Nikkor 50mm F1.2を使ってみて

SONY α7C II Ai-S Nikkor 50mm F1.2 1/160 f1.2 ISO80

今回は、Nikon Ai-S Nikkor 50mm F1.2をSONY α7C IIと組み合わせて使って、作例を中心に紹介し
ました。
Nikon Ai-S Nikkor 50mm F1.2を使ってみると、F値が低く明るさを出せることや円形のボケの美しさが
被写体を際立たせることができることが大きな魅力であることが分かりました。
また、フォーカスリングがボコボコしていることで、操作する指にしっかりフィットして撮影することができます。
「ミラーレスカメラ×オールドレンズシリーズ」は、ミラーレスカメラとオールドレンズのそれぞれの魅力をもっと深く知ることができるコンテンツです。自分なりのオールドレンズとミラーレスカメラを組み合わせて使う楽しさを見つけ出していきましょう!


著者・モデルプロフィール
内倉 可南子
旅行情報を中心に執筆を行う。
趣味は旅行、カメラ。風景や人、動物を撮るのが好き。被写体としてモデルも兼任する。
株式会社三和オー・エフ・イー所属。

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