【早稲田大学写真部×アールイーカメラ】超望遠スナップは可能か!?/ 大森孝之介
【早稲田大学写真部×アールイーカメラ】超望遠スナップは可能か!?/ 大森孝之介
この記事をシェア

・企画を受けての所感

 今回アールイーカメラ様とのコラボ企画で、普段なかなか使うことがかなわない写真機材をお貸し出しいただけるということで、非常に貴重かつ楽しい体験をさせていただきました。自分ではきっと買わないけれど、一度は使ってみたかった機材を使うことができました。

・機材貸し出しまでの流れ

 私は普段キヤノンのEOS RRF 35mm F1.4L VCMを使い、横浜みなとみらいから、おおよそ元町までのエリアを被写体に写真を楽しんでいます。他のレンズは持っていなかったので、今回はキヤノンRFマウントのレンズをお借りしたいと思いました。

 一眼レフを使っていたころに24-70mmや70-200mmのレンズは使っていたので、
今回はRF 100-500mm F4.5-7.1L IS USMという超望遠ズームレンズをお借りしました。
普段はスナップや風景を主として写真を撮っているので、超望遠域を含むズームレンズを使ったらなかなか面白い写真が撮れそうだと思いました。

キヤノン RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

・撮影のテーマ

 撮影のテーマはズバリ「超望遠スナップは可能か!?」です。RF 100-500mmというレンズに主に想定された被写体はスポーツや飛行機、野鳥などの動きモノかと思われますが、そんなレンズをあえてスナップ撮影で使ったらどんな面白い写真が撮れるのか!? なかなか難しい課題ではありますが面白そうです。

 で、結論から申しますと「かなり無理がある」。じゃあ作例いってみましょう!

 ボディも今回Canon EOS R5をお借りしました。貸出期間は1週間でしたので、横浜に2度ほど撮影に出かけました。

キヤノン EOS R5 ボディ

 まず高島エリアのマンション群を300mmで。全体的にのっぺりしやすいシチュエーションではありますが、写りが非常にクリアーなおかげでよい奥行き感が生まれています。解像度が高いのは当然といった感じです。都市風景を超望遠で切り取り、幾何学的な面白さを発見する面白さがあります。

 CP+の会場でもあるパシフィコ横浜の目の前から観覧車を。広角端の100mmです。100-500というズーム域に慣れ始めると100mmでもかなり広角に感じます。普通同じ画角に収まらないものを一枚に入れることができます。撮り慣れた横浜ですが新しい視点を手に入れられました。

 臨港パークから大きな入道雲が見えたので151mmで。左上にはおそらく羽田から飛び立った直後であろう飛行機が、右下の「人人」みたいな橋は湾岸線の鶴見つばさ橋です。結構いろいろ盛り込みました。夏らしい写真になったなと思います。

 これまでの写真とは場所がすこし変わり、今度は大さん橋です。中秋の名月の2,3日手前の月が大きく見えていたので、何かと絡めたいなと思い、普段人はあまり写さないのですがこのような写真になりました。200mmで撮るとf5でも人が大きくボケますね。

 上の写真と似たような構図ですが、223mmで大さん橋越しに本牧ふ頭のクレーン群を写してみました。ぴょこぴょこと面白い感じになりました。「超望遠レンズを使っている」と思うと普段考えもしない構図が思い浮かび、頭の体操になります。

 最後はネタ的な写真ですが、出港していく客船にっぽん丸と東京スカイツリーを500mmで写してみました。500mmだと30km離れたスカイツリーでも同じ画角に収めることができます。

・まとめ

 RF100-500mmは定価37万のいわゆる白レンズです。超望遠レンズが必要な写真は普段撮りませんが、「RFのLレンズ」ということでずっと使ってみたいと思っていました。自分ではおそらく買わないレンズですが、今回このような企画でお借りでき非常に楽しかったです。

 実際に写真を撮ってみての感想としては、最初にファインダーをのぞいた時に「盗撮しているみたいなレンズだな」と思ったのですが、その予感がいい意味でも悪い意味でもあたったような気がします。超望遠レンズでスナップをする楽しさは、見慣れた風景でも普段とは全く異なる画角で切り取り、意外性や面白みのある写真が撮れることです。記事中の作例には、超望遠の面白さが活きたと感じる写真を選びました。逆に、超望遠の難しさは、被写体からかなり離れた位置から風景を切り取ることになるので、ただ遠くからファインダーを覗いて撮るだけだと写真に臨場感や奥行き感がなくなってしまいがちなことです。積極的に前景やボケなどを取り入れる努力が必要でした。

 今回超望遠レンズをお借りしたことで、もし次自分が望遠レンズを買うなら70-200mmくらいのレンズで十分だなということを学びました。しかし、RF100-500mmは非常にいいレンズでした。高い解像力とクリアーな写りが見事ですし、適度な重さで非常に扱いやすかったです。一緒に借りたR5との組み合わせでは手振れ補正も非常によく効き、500mm手持ちでもフレーミングに難儀しませんでした。


・著者プロフィール
早稲田大学写真部
大森孝之介
EOSから写真を始め、Mamiya RB67を経由してEOSに落ち着いた。

この記事をシェア

Topicsトッピックス タグ一覧