
今回紹介するのは、シグマから発売されているソニーEマウント用の高倍率ズームレンズ「CONTEMPORARY 16-300mm F3.5-6.7 DC OS」です。
2025年4月24日に発売された新しいレンズで、ソニーEマウントとライカLマウント向けに展開されています。
その後、富士フイルムXマウントおよびキヤノンRFマウント用が2025年5月に発売されています。
本レンズはAPS-Cサイズ用のレンズとなっています。焦点距離は16-300mmとなっており、35mmフルサイズ換算で約24-450mmです。
ミラーレスカメラ用として世界初の約18.8倍ズーム比を実現しています。
また、焦点距離70mm時には最大撮影倍率1:2の本格的なマクロ撮影も可能です。
この1本があれば、広角、標準、望遠、超望遠、マクロといったどんなシーンでも対応できます。
また、防塵防滴構造、撥水防汚コート、フレア・ゴースト低減設計、フォーカスブリージング抑制などが施されており、最新の技術も多く組み込まれています。

レンズの印象は「細長い」です。マウントに近い側はかなり細く、最大径は73.8mm、全長121.4mmです。重量は約615gで重量感はありますが、450mmまで対応していることを考えると軽いのではないでしょうか。
画像の通り、16mmから300mmまでの回転角がかなり小さく、少し回すだけで16mmから300mmまでズームができるようになっています。ズーム時にかなり大きくレンズが伸びるため、ズーム操作にそれなりの力が必要ですが、ズームリングが太く設定されているのでしっかりとホールドして操作することができます。

細かいところですが、純正レンズとの違いが2つあります。1つはズームリングとピントを合わせるフォーカスリングの配置が前後逆になっていることです。
純正レンズでは、レンズ先端側がフォーカスリング、マウント側がズームリングになっています。レンズ先端を持って操作するほうが、安定性は高いため、本レンズは被写体を捉えながらズームする操作が得意です。逆にマニュアルフォーカスでピントを合わせるのは苦手です。
レンズに搭載されているスイッチはかなりシンプルで1つだけです。ズームロックスイッチが搭載されており、広角側の16mmのときにスイッチをONにするとズームリングが固定されズームができなくなります。持ち運ぶときに不用意にレンズが伸びるのを防いでくれます。
使用カメラ:α7III
今回の作例ではフルサイズセンサー搭載のα7IIIを使用しています。
レンズがAPS-Cセンサー専用レンズのため、クロップをした状態で撮影を行っています。
センサー全面を使用できないため、AFの測距点が少なかったり、画素数が落ちてしまったりと、
APS-Cセンサー搭載カメラと比べて不利な場面があります。
まずは気になる18.8倍ズームの威力から確認してみます。
レンズのズームリングの指標に沿ってズームしてみました。
広角側から、16, 24, 35, 50, 70, 100, 180, 300mmとなります。フルサイズ換算の場合は、24,36, 52.5, 75, 105, 150, 270, 450mm相当となります。








「開花中」と書かれた看板を中心に捉えてズームしてみました。
カメラから看板までは2mくらいでしょうか。広角端の16mmでは右側のドッグランの看板や左の木まで広く写っています。3枚目の35mmになれば、フルサイズ換算52.5mmとなり、かなり自然で程よい距離に感じます。100mmまで行くと看板以外の情報は写らなくなり、望遠端300mmでは「開花中」の文字さえも切れてしまうほど拡大されました。
レンズ1本でここまで幅の広いズーム域があると自分の手が届かない遠いところにあるものもしっかり収めることができます。

また、このレンズの特徴として、焦点距離70mmで1:2のハーフマクロ撮影ができるというところです。換算105mmであるため、ワーキングディスタンスも十分に確保でき、落ち着いて近接撮影が楽しめます。
作例では、葉の先端の水滴にピントを合わせました。雨上がりだったので、葉っぱには多く水滴がついておりとても綺麗でした。
解像力も高く、水滴の中に写った風景まで記録できています。

次は望遠端300mmでバラを狙ってみました。
換算450mmもあれば被写体と背景とは完全に分離できます。周りの映り込みも排除できるので、印象的な撮影が可能です。周辺の解像力は少し甘い気もしますが、中央のバラは雨上がりということもあり艷やかで質感がよく再現されています。

300mmでバラを中心に捉えたままズームアウトするとこれくらいの画角になります。
18.8倍ズームの威力を感じていただけたでしょうか?
広角ではなんの変哲のないバラも、ズームすることで表現を変えることができます。
1本で色々な画角で撮影できる楽しさがこのレンズにはあります。

次は100mm付近でボケを確認してみましょう。
このレンズは広角端でF3.5、望遠側でF6.3となります。作例ではF6.3で撮影しています。
どうしてもボケ量が少なくなってしまい、背景がざわついている印象です。
1日撮影に使用してみて、ハイライトに少し弱いと感じました。天候は曇りで強い光が入る場面は少なかったですが、それでも明るい部分は飛びやすい印象です。
シグマ「CONTEMPORARY 16-300mm F3.5-6.7 DC OS」は、驚異の18.8倍ズームを実現したAPS-Cミラーレス専用の高倍率ズームレンズです。
1本で広角24mm(換算)から超望遠450mmという幅広いシーンに対応できる圧倒的な利便性が魅力です。
このレンズを使う最大のメリットは、広角から望遠、さらにはマクロ(70mm時1:2)撮影までレンズ交換不要で実現できる点です。
旅行やイベント、日常スナップには最適で、余分な荷物を減らしたいシーンでもストレスなく撮影に集中できます。
携帯性もよく、約615gの軽さとコンパクトなサイズ設計により、長時間の持ち歩きでも疲れづらい点が大きな魅力です。
画質については、これまで高倍率ズームのイメージとして「便利だけど甘い描写」「端が流れる」といった印象がありましたが、本レンズではズーム全域でシャープさを維持し、充分な解像感とコントラストが得られました。特に中心部の解像力は十分で、フルサイズセンサーをクロップして使用した今回の撮影でも十分な画質が得られました。
また、最新手ぶれ補正アルゴリズムOS2により、手ブレ補正の効果は望遠端でも非常に高く、被写体ブレや手ブレを大幅に抑えてくれるので、暗所や望遠撮影でも安心感が非常に高いです。
また、本レンズはズームすると暗くなる仕様のため、マニュアルモードで撮影する場合は、焦点距離によってF値が変化することを頭に置いて撮影する必要があります。そのため筆者は今回Aモードで撮影を行いました。AモードであればF値に合わせて、カメラ側で露出を設定してくれるため楽に撮影ができます。また、ハイライトが少し弱いと感じたため、露出補正を-0.3から-0.7に設定をしておくと後で編集する場合も調整がしやすいと感じました。
「CONTEMPORARY 16-300mm F3.5-6.7 DC OS」は、軽量コンパクト・高倍率ズーム・良好な描写性能をバランス良く兼ね備え、レンズ交換の手間や携帯性を重視するカメラユーザーに最良の選択肢となる一本ではないでしょうか。
アールイーカメラは、「カメラでみんなをHappyに、そして写真文化を次の世代へ」をテーマに、 中古カメラ・レンズの販売・買取を行うカメラ専門店です。 カメラを通じて人々に喜びを届けること、 そして写真文化の魅力を次の世代へとつなげていくことを大切にしています。 店舗・オンラインショップ・マガジンを通じて、 写真を愛するすべての人に向けて、 カメラの魅力や新しい発見を発信しています。
アールイーカメラの使用カメラ
アールイーカメラの使用レンズ
アールイーカメラは、「カメラでみんなをHappyに、そして写真文化を次の世代へ」をテーマに、 中古カメラ・レンズの販売・買取を行うカメラ専門店です。 カメラを通じて人々に喜びを届けること、 そして写真文化の魅力を次の世代へとつなげていくことを大切にしています。 店舗・オンラインショップ・マガジンを通じて、 写真を愛するすべての人に向けて、 カメラの魅力や新しい発見を発信しています。
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