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SONY FE 16-35mm F2.8 GM II 実写レビュー! G Masterをフルサイズ機とAPS-C機の両方で使ってみました!

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SONY FE 16-35mm F2.8 GM II 実写レビュー! G Masterをフルサイズ機とAPS-C機の両方で使ってみました!

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内倉可南子

旅行情報を中心に執筆を行う。 趣味は旅行、カメラ。風景や人、動物を撮るのが好き。被写体と してモデルも兼任する。 株式会社三和オー・エフ・イー所属。

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SONY FE 16-35mm F2.8 GM IIは、使用するユーザーから機能性や描写力で高い評価を得て
いるソニーの最高峰、G MasterレンズのⅡ型です。今回はFE 16-35mm F2.8 GM IIをフルサイ
ズ機とAPS-C機のそれぞれに装着し、画角やボケ感、作例も含めてレビューしていきます。
FE 16-35mm F2.8 GM IIの購入を検討している人や、広角ズームのG Masterレンズにどんな特
徴があるのか、どんな写りなのか興味がある人は参考にしてみてください。

【SONY FE 16-35mm F2.8 GM II】の特徴

ソニー FE 16-35mm F2.8 GM II SEL1635GM2

SONY FE 16-35mm F2.8 GM IIは、前モデル「FE 16-35mm F2.8 GM」からさらなる進化を遂げ、
2023年9月に発売された広角ズームレンズ。従来モデルと比べて、重さは約133g軽くなり、
全長も約10.1mm短縮されるなど、大幅な小型・軽量化が図られています。
広角ズームでありながら、美しいボケとシャープな描写が特徴で、写真や動画の表現をより豊かにしてくれます。また、非球面レンズ(XAレンズ含む)とEDガラスにより、色収差や球面収差が効
果的に抑えられ、どの焦点距離でもすみずみまでクリアでキレのある写りを楽しめるのも魅力です。
さらに、AF(オートフォーカス)はとても速くて静かなので、動く被写体にもスムーズにピントを合わ
せることができます。

■SONY FE 16-35mm F2.8 GM IIのスペック
レンズマウント:ソニー Eマウント
レンズ構成:12群15枚
絞り羽根枚数:11枚
最短撮影距離:0.22m
最大撮影倍率:0.32倍
開放絞り(F値):2.8
最小絞り(F値):22
焦点距離:16mm-35mm ※APS-C装着時:24mm-52.5mm
フィルター径:82mm
大きさ:最大径87.8mm × 長さ111.5mm
質量:約547g

SONY公式サイトより

フルサイズとAPS-Cの画角とボケ感

ここでは実際にフルサイズ機とAPS-C機にそれぞれFE 16-35mm F2.8 GM IIを装着して、それぞれの特徴を画角とボケ感に分けて紹介していきます。

今回はフルサイズ機にSONYα7C Ⅱ、APS-C機にSONYα6400を使用しました。

画角

まずは気になる画角から見ていきましょう。
FE 16-35mm F2.8 GM IIは、フルサイズセンサーに最適化されたレンズです。フルサイズ機では
16mm〜35mmのダイナミックな広角域を活かした撮影が楽しめますが、APS-C機に装着すると
約1.5倍のクロップがかかるため、画角はおおよそ24mm〜52.5mm相当になります。
まずは35mmで実際に撮影したものを並べて見てみましょう。

35mm [フルサイズ:APS-C]

35mmではテーブルにケーキとドリンクを置いたうえで、俯瞰撮影を行いました。左のフルサイズではケーキとドリンクを中心にテーブルの周りの余白の部分まで写すことができます。
一方右のAPS-Cでは、35mm換算すると、約52mmとなります。同じ位置から撮影してもケーキとドリンクに
寄った、余計なものを写さない1枚となりました。それぞれの良さを生かして撮影に挑むことができますね。

16mm[フルサイズ:APS-C]

続いて16mmでの写りを比較してみます。16mmの画角は超広角の域に入るため、外での撮影
で比べてみました。2つの道路が入り組んだ風景は、フルサイズの方では写真内左側のビル群
や手前の草木がしっかりと見えています。APS-Cは35mm換算で約24mmとなります。フルサイ
ズよりもさらにクロップされたような写りになっていますね。

絞りの比較(ボケ感)

フルサイズとAPS-Cの違いとしてよく語られるのが、「ボケの量」や「被写界深度の浅さ」です。
実際に同じレンズ・同じ設定で撮影してみると、その印象は意外と大きく変わります。
ここでは、センサーサイズの違いがボケ味にどう影響するのか、実写を交えて比べてみましょう。

【F8】SS1/100 ISO640 左:α7C II 右:α6400 ※16mmで撮影

まずはフルサイズ、APS-CどちらもF8に設定して写り方を見てみます。
左がフルサイズ、右がAPS-Cでどちらも16mmで撮影しています。
右のフルサイズの方が若干うしろのボケが強く出ています。ぱっと見の違いは分かりにくいですが、
特に後ろの紙コップの文字を見ると違いが分かりやすいです。

【F2.8】SS1/400 ISO320 左:α7C II 右:α6400 ※16mmで撮影

開放2.8での撮影は、ボケ感の違いが顕著に表れたのではないでしょうか。
フルサイズの方は、メインとなるサクランボのゼリーにピントが合い、後ろにある草やコップはしっかりとボケています。

SONY FE 16-35mm F2.8 GM IIで撮ったスナップ&ポート
レート作例

ここからはフルサイズのα7C IIとAPS-Cのα6400それぞれで撮った作例をいくつか紹介していきます。
先にフルサイズ、後にAPS-Cとなっているので、それぞれの写り方を見ていきましょう。
撮影時の状況や写り方を解説しているので、一緒に見てみてください。

フルサイズ×SONY FE 16-35mm F2.8 GM II

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1/250 f2.8 ISO320

広角16mmの画角で、スカイツリーを下から大胆に見上げた構図。画面いっぱいに広がる提灯と、
空へとそびえるタワーの対比が印象的です。
この画角ならではの遠近感の強調と歪曲収差によって、特にフレーム周辺の提灯が少し引き伸ばされたように見えるのも、レンズの個性。迫ってくるような臨場感と、広角ならではのダイナミックさが魅力です。

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1/160 f8 ISO50

広角16mmで都心の高層ビル群を撮影。絞りをF8にすることによって、画面の隅々までしっかりとしたシャープさが得られ、細部まで解像感の高さを感じられました。
特にビルの窓や、遠くにある東京タワーに至るまで、歪みの少ない点には驚きです。
超広角らしい奥行きと空間の広がりを感じつつも、破綻のない収差補正により、視線が自然と都市全体を見渡せる構図に。周辺光量落ちも非常に少なく、コントラストも良好な写りです。

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/500 f2.8 ISO100

F値を開放にし、35mmで花壇を撮影してみました。手前の紫の花にピントをあて、周りをぼかす
ことによって、立体感が出ます。
ピントがあっている場所はしっかり繊細に映し出され、周りの部
分はとろけるようなぼけ感となり、コントラストが美しい1枚になりました。

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1/400 f2.8 ISO160

インパクト強めの大きなソフトクリームを持っての1枚。広角レンズならではの、こぼれ落ちそうな被写体も片手でサッと撮れてしまいます。ソフトクリームにピントを合わせて、背景を優しくぼかしてくれていますね。
真っ白なソフトクリームのなめらかなツヤ感と陰影の描写を見ると、「白いだけの被写体」にならず、
ちゃんと立体的に写ってるのがわかります。

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1 f8 ISO320

ジャンクション撮影に行ってきました。高速道路と一般道が交差している造形の美しさを、
より印象的に撮影するには広角レンズがぴったり!
夜の都市光も美しく、車のライトが動線となり、構図に動きを加えた1枚になりました。

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1/100 f/5.6 ISO100

緑あふれるエリアで撮影。画面手前に草原の力強さ、奥に大きな木々を配置することで、自然の
スケール感を表現しました。
中央にモデルを小さめに置くことで、自然に包まれる感覚を強調しています。
広角16mmの遠近感がよく効いており、手前から奥への広がりが印象的です。

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/500 f2.8 ISO200

こちらはシャボン玉を楽しんでいる様子を撮影した1枚。モデルの手前に飛ぶシャボン玉がふわりとぼけることで、被写体への視線誘導が効果的に働いています。
シャボン玉の色とりどりの反射も自然光で美しく表現され、画面全体に温もりある空気が漂います。GMasterらしく、ボケのエッジが二重にならず、クセのない滑らかな描写も特徴的です。

APS-C×SONY FE 16-35mm F2.8 GM II

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/640 f5 ISO100

ここからはα6400での作例を紹介していきます。
APS-C機での使用により、35mm換算で約24mmの広角画角を実現できています。広がりのある構図で、鉄橋が画面奥へと伸びる奥行きが強調されています。
曇り空ではありましたが、全体がフラットに露出され、橋の構造美と川面の穏やかさが際立つ1枚になりました。

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1/50 f2.8 ISO100

こちらも35mm換算で約24mmの画角で緑に包まれた小道を撮影。画面の隅々まで解像感が高く、
葉のディテールや小道のアスファルトの細かな質感までシャープに描写されているのが分かります。

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/250 f2.8 ISO160

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/250 f2.8 ISO160
開放感のある自然光のもとでボリューミーなトーストを撮影。近所のパン屋さんのテラス席で撮影しました。
絞りを開放にして撮ったため、左手前の粒マスタードやベーコンにぴったりとピントが合い、
手前のレタスや後ろの部分はぼんやりしています。
木製プレートと背景の絶妙なボケ味が、主役のサンドイッチをより引き立て、温かみのある食のシーンを演出することができています。

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/40 f2.8 ISO800

眠る猫の表情と柔らかな毛並みをぐっと迫って撮影。最大限まで近づけて、目のあたりにピントが合っている状態です。
被写体震度は浅いですが、猫の毛1本1本が鮮明に表現され、まるで手で触れられそうなほどリアルな質感が描き出されています。広角ズームレンズとは思えない最短撮影距離と描写力が引き立つ1枚になりました。

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 35mm SS1/250 f2.8 ISO160

東京駅のひさし部分に施された装飾鉄骨をクローズアップしてみました。柔らかく差し込む暖色の照明が赤レンガと鉄のディテールを浮かび上がらせ、温かみのある雰囲気に。
美しい曲線のデザインが鮮明に写し出されています。高精細かつ立体感のある描写が光る1枚です。

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 29mm SS1/250 f2.8 ISO100

バラの開花時期だったため様々な色や種類のバラが咲いていました。29mmの開放F2.8で撮影。
被写体との距離が近い構図でも、髪の1本1本や肌の質感もしっかり描写されています。
白バラの輪郭もしっかり写し出されており、最短撮影距離の短さと描写力の高さを実感できる1枚。

Sony α6400FE 16-35mm F2.8 GM II / 24mm SS1/400 f2.8 ISO100

ピンクのバラの横で人物を撮影したショット。
特に注目したいのは、画面右手前のバラの自然な前ボケ表現。
立体的に咲き誇るバラの存在感を活かしつつ、被写体である人物の表情をきちんと引き立てています。
開放F2.8でも甘さはなく、瞳や髪のディテールはシャープに写し止められており、
AFの精度と追従性も良好。奥行きのある柔らかな空気感を演出できています。

まとめ

Sony α7C II FE 16-35mm F2.8 GM II / 16mm SS1/13 f8 ISO320

今回はフルサイズ機とAPS-C機、それぞれでFE 16-35mm F2.8 GM IIを使用し、
それぞれの写り方をレビューしてみました。
フルサイズ機では16mmの超広角を活かした迫力ある風景描写や建築撮影が可能で、広がりのある表現に強みを感じました。一方でAPS-C機では、クロップにより標準ズーム的な画角となり、スナップやポートレートなどにも非常に扱いやすい印象。さらに、従来よりも最短撮影距離が短縮されており、
被写体にしっかり寄って撮れるのが魅力的でした。
どちらのセンサーサイズでもレンズの描写性能は申し分なく、シャープネスやボケ味など、G Masterらしい高い完成度を実感できます。
1本でここまで多彩な表現ができる広角ズームは貴重であり、まさに使い方次第で表情を変える柔軟な一本。
ボディを問わず、その魅力を存分に引き出せる優れたレンズだと感じました。


筆者:内倉可南子

旅行情報を中心に執筆を行う。 趣味は旅行、カメラ。風景や人、動物を撮るのが好き。被写体と
してモデルも兼任する。 株式会社三和オー・エフ・イー所属。

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