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焦点距離と画角は、カメラのレンズ選びや撮影方法に大きな影響を与えます。「広角レンズ」は広
い範囲を撮影し、遠近感を強調するのに適しています。「標準レンズ」は自然な視野を提供し、
ポートレートやスナップに最適です。「望遠レンズ」は遠くの被写体をクローズアップして、背景を
ボカして被写体を際立たせることができます。
焦点距離とは
焦点距離は、レンズの中心からイメージセンサーまでの距離を指します。
※実際のレンズはこの図のように一枚ではなく複数枚のレンズを組み合わせて作られています。
10枚以上入っていることも珍しくないため、性能がよくなると高価で重くなります。
焦点距離はミリメートル(mm)で表され、レンズの特性を示す重要な指標です。例えば、「50mm」
や「200mm」といったように表されます。焦点距離の数値が大きくなる(距離が長くなる)と、遠くを
撮影できます。
焦点距離は大きく3つに分類されます。
画角は、レンズが捉える視野の広さを角度で表したものです。焦点距離が短いほど画角は広くな
り、焦点距離が長いほど画角は狭くなります。画角は度(°)で表されます。画角が広いレンズを広
角レンズ、画角が狭いレンズを望遠レンズと呼びます。
● 16mm(超広角):画角約100°以上
● 24mm(広角):画角約84°
● 35mm(中広角):画角約63°
● 50mm(標準):画角約46°
● 100mm(中望遠):画角約24°
● 200mm(望遠):画角約12°
広い画角は広い範囲で風景や被写体を一度に収めることができます。被写体の近くに寄ると遠
近感が強調され、躍動感のある写真が撮れます。
狭い画角は遠くの被写体をクローズアップできます。背景がボケやすくなり被写体が際立つ写真
が撮れます。
カメラのセンサーサイズによって、同じ焦点距離でも画角が異なります。一般的に使われるの
は、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの2種類です。
● フルサイズセンサー:35mmフィルムと同じ大きさのセンサー(約36mm x 24mm)で、レン
ズの焦点距離がそのままの画角になります。例えば、50mmのレンズはそのまま50mm
として表れます。
● APS-Cセンサー:フルサイズよりも小さいセンサーで、焦点距離が約1.5倍に換算されま
す。例えば、50mmのレンズは75mm(または80mm)相当の画角になります。
以下はAPS-Cセンサーが換算される大きさの例です。
● 24mm:フルサイズ換算で約36mm
● 50mm:フルサイズ換算で約75mm
● 100mm:フルサイズ換算で約150mm
同じ位置から撮影した写真ですが、焦点距離が異なると写る範囲も異なることがわかります。焦
点距離が短いレンズほど広い範囲が写ります。逆に焦点距離が長くなるとクローズアップした範
囲が写ります。
広角レンズは風景撮影、建築写真、室内撮影などに適しています。風景写真は広い範囲を捉え
ることができるため、雄大な自然や都市の全景を撮影するのに、建築写真は大きな建物全体を
一枚の写真に収めることができます。室内撮影は狭い空間でも広がりのある写真を撮影できま
す。
標準レンズはポートレートやスナップ写真に適しています。自然な視野で被写体を捉えることが
でき、背景のボケも綺麗に表現できます。
望遠レンズはスポーツ撮影や野生動物、天体撮影などに適しています。スポーツ撮影は遠くの
選手を大きく写せるので競技の臨場感を捉えやすく、野生動物や野鳥撮影などは遠くにいる動
物や鳥を驚かせずに撮影ができます。
被写体により適切な焦点距離があるので、レンズ選びで迷うことがあるかもしれません。まずは
「何をどう撮りたいのか」を自分の中で明確にし、シーンに合わせてレンズを使い分けることで、よ
り魅力的な写真を撮ることができます。