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【SONYのTHE標準レンズ】Eマウント50mmの決定版 50mm F1.4GMで京都街歩き

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【SONYのTHE標準レンズ】Eマウント50mmの決定版 50mm F1.4GMで京都街歩き

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SONY 50mm F1.4 GM 基本のスペック

今回のレンズはSONY Eマウントの単焦点レンズ、50mm F1.4 GM[SEL50F14GM]です。
SONYが発売しているEマウントの50mm単焦点レンズは現行品が5種類あります。
エントリーレンズのF1.8、ZeissレンズのF1.4、GレンズのF2.5、そして最高峰GMレンズがF1.2と今回ご紹介するF1.4です。中でもF1.4GMは5本の中で一番新しく2023年4月発売のレンズです。
SONYが同じ焦点距離のレンズを5本もラインナップしていることからもわかるように、50mmという焦点距離は非常に使い勝手が良く、ユーザーも多い焦点距離です。標準レンズと言えば50mmと答える人も多く、単焦点レンズの最初の1本におすすめの焦点距離でもあります。

操作感

まずは、FE 50mm F1.4 GMの外観から。
GMレンズにはあたりまえの機能ですが、「絞りリング」があります。絞りリングはF1.4~F16まで1/3段刻みで、F16の隣にはAポジションもあります。1/3段ごとにクリックがありますが、「絞りリングクリック切り替え」があるため、クリックをOFFにすれば動画撮影時のシームレスな絞り変更もやりやすい仕様です。
また、「アイリスロックスイッチ」も搭載されているため、F16から誤ってAポジションに切り替わることを防いでくれます。
他にもAF/MFの「フォーカスモードスイッチ」や好きな機能を割り当てられる「フォーカスモードスイッチ」があります。「フォーカスモードスイッチ」は2箇所あり、横位置、縦位置どちらの構えでも押しやすくなっています。僕は普段人を撮ることが多いため、このボタンは「瞳AF」に設定しています。
重量は516gです。F1.2のレンズが778gなのでかなり軽いです。ZeissレンズのF1.4も778gなのでかなり軽量化が図られています。

作例紹介

では実際に撮影した作例をご紹介します。今回は京都を撮影しました。撮影日は11月下旬ですが、まだ暖かく青空の広がる1日でした。

1.近景

まずは最短撮影距離の作例から。公園の川沿いにもみじの木があったので、もみじの葉を主題に玉ボケを作ってみました。
AF時の最短撮影距離が0.41mなので、手を伸ばした先くらいまでピントが合います。
単焦点レンズの明るさもあってかなりインパクトのある写真が撮れます。
今回のシチュエーションではF1.4だと玉ボケが大きくなりすぎたため、F2.8に絞って撮影しました。
葉っぱの葉脈もしっかり写っています。

F1.4だと画面四隅の玉ボケがかなり楕円形になっていて口径食の影響はそれなりにでるレンズです。

F1.4で最短撮影距離まで寄るとピント面がかなり薄いので葉っぱ1枚を見てもピンとが端のほうはピントがあっていないところが出てきます。
50mmレンズであれば被写体に寄っても自分の影が入りづらいのでこういった玉ボケを活かした撮影もしやすいです。

この作例も最短撮影距離付近の動画です。中央にピントがあっていますが、奥と手前はなだらかにボケています。また、暗い室内で撮影していますが、F1.4の明るさがあれば室内や夜間の撮影も十分な明るさを確保できます。

2.遠景

次は遠景です。
50mmという焦点距離は非常に使いやすく、自分の立ち位置さえ調整すれば望遠レンズを使用したかのように表現することもできます。

この作例は、京都の八坂の塔を撮影したものです。京都といえばこの風景を思い出す人も多いのではないでしょうか。
F4で撮影していますが、五重塔の瓦や木の造形もしっかり描写できています。
ちなみに現在の八坂の塔周辺は外国人観光客で溢れかえっています。

逆に広角的な使い方もできます。人々と周囲の状況、空の雰囲気を広く記録することもできます。
この作例は平安神宮前でフリーマーケットが開催されていたときの写真です。
両脇に松の木が並び、奥に平安神宮が見えています。先程の八坂の塔の作例と違い、空間を大きく空けることで広角レンズで撮ったかのように空間の広がりを表現しています。

京都といえば鴨川ですよね。F1.4で撮影していますが、F1.4だと四隅が少し暗くなる周辺減光が見られます。今回の撮影ではボディ側で周辺減光補正をONにしているので、OFFの場合は更に目立ちます。
しかし、周辺減光のおかげで雰囲気のある写真に仕上がっています。鴨川に座ってゆっくりする人々、上を飛び交う鳶たちをしっかりと捉えています。鴨川で食事を食べようものなら鳶の餌食になりますので、普通に危ないので鴨川で食事される場合はお気をつけください。

3.中景

50mmという焦点距離は人間の目で見た視野と近いという意味で標準レンズと呼ばれることがあります。
そのため、50mmで撮影した写真は日常をより強く感じることができます。また、F1.4で撮影すれば、中景の撮影でも主題以外がボケて立体的に撮影することができます。

この作例は公園のほとりで撮影しました。二分割構図で捉え、左は黄色、右は赤で構成しました。
対象物までは数m離れていますが、かなり立体的に描写されていると思います。
縦位置で構えることで木の高さも表現できています。

南禅寺にある水楼閣でかなり人気の撮影スポットです。アーチ状のレンガで抜け感のある撮影ができます。F2で撮影した作例で中央でカメラを構えている人にピントをあわせています。
奥の被写体と手前で様子を撮影する人たちはきれいにボケています。50mm、F2くらいのボケ感がとても気持ちいいと感じます。

紅葉を撮影する外国人にピントをあわせてF1.4で撮影しました。逆光かつ開放で撮影すると被写体に光のエッジラインが強調され、とても立体的な写真になります。
周りに人が大勢写っていますが、きれいにボケており、より立体感を強調しています。

4.絞りによる違い

ここで絞り値による違いを見てみましょう。

狛犬にピントをあわせて、F1.4とF11の2パターンで撮影しました。
F1.4では狛犬の近いところにピントが合っているため、狛犬の鼻のあたりはすでにボケ始めています。奥の交差点も横断歩道や車が止まっている様子はわかりますが、細かいディテールはまったくわかりません。一方F11まで絞った写真では狛犬にピントを合わせていますが、道の奥の方まで写っています。特に車の車種や奥の横断歩道を歩いている様子の人まで写っています。F11は開放F値が暗いレンズでも撮影ができますが、F1.4は明るいレンズでしか撮影できません。

5.歪み

次はレンズの歪みです。
最近のレンズはカメラ側や編集ソフト側に補正データがあるため、レンズ自体に歪みがあってもうまく補正してくれるものが多いです。
補正なしの場合は四隅に歪みが見られますが、補正有りの画像は四隅も直線はしっかり直線で描写されています。
建築物や室内など、水平垂直を木にするような写真でも撮影がしやすくなっています。

まとめ

今回、1日中50mm F1.4で撮影を行いましたが、50mmという焦点距離はやはり使いやすいという印象が強かったです。単焦点レンズなのでズームはできませんが、自分が撮影する位置によって撮れるものや表現の仕方を変えることができます。
ソニーα7IIIに装着しましたが、カメラが650g、レンズが516gなので合計1.2kgくらいです。
これくらいなら1日持ち歩けます。本体とレンズの重量も似ているためバランスもよく、構えたときもしっかりとホールドすることができます。

結論、このレンズはどのユーザーにも使いやすくおすすめできるレンズです。
50mmレンズとしては少し大きいですが、十分な明るさ、ボケを楽しむことができます。
用途もスナップ、ポートレート、テーブルフォト、風景など被写体を選ばず撮影ができます。
初めての単焦点レンズに悩んでいる人、景色、人、食べ物などいろいろな被写体を取る人に特におすすめなレンズです。
価格も20万ちょいなのでまだ手が届くレンズなのではないでしょうか。
このレンズは買って損はない、すべてのSONYユーザーにおすすめできるレンズです。
ぜひ手にとって、GMレンズの描写力に酔いしれてみてください。


■今記事で紹介した商品

ソニー FE 50mm F1.4 GM SEL50F14GM
ソニー α7 III ILCE-7M3 ボディ

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