マルミから発売された新感覚カメラフィルター「パンチ!シリーズ」は、「肉眼で見ている世界とは別の世界を作る」「記憶の中にある心の画像を写す」というコンセプトのもと、写真家の鈴木さや香さんとマルミが共同開発しました。このフィルターは「世界がもっと好きになる、自分の心が溢れていく」ような、そして「解像度のいらない世界」を表現することを目指しています。
現代のカメラが高解像度を追求する中で、「パンチ!シリーズ」はあえて解像度を大胆に落とし、強い滲みと優しい描写、個性的な色表現を特徴としています。これは、単に美しい写真を撮るだけでなく、写真を通して感情や記憶を表現したいという写真家の思いが込められています。
「パンチ!シリーズ」は、写真家として活躍し、日常で空白になってしまう記憶にやわらかく焦点を当てた作品を多く発表している鈴木さや香さんと、1952年創業の老舗フィルターメーカーであるマルミ光機が共同で開発しました。マルミ独自のソフトフィルターを2枚重ねることで、これまでにない描写効果を実現しています。
「パンチ!シリーズ」には、「アルプスパンチ!」と「なついろパンチ!」の2種類があります。
※商品画像はMARUMI|マルミ光機株式会社様ホームページより参照しています。
全体的に緑色がぽってりとのり、自然や街中を柔らかく黄色に包みます。赤や濃いピンクの発色も強くなり、マゼンタ色のフレアやゴーストがかわいらしい世界を広げます。夜景にもおすすめです。
![]() | 58mm アルプスパンチ!【 AtelierPiccolo×マルミ光機】 価格:8080円 |
![]() | 52mm アルプスパンチ!【 AtelierPiccolo×マルミ光機】 価格:7310円 |
![]() | 52mm なついろパンチ!【 AtelierPiccolo×マルミ光機】 価格:8310円 |
![]() | 67mm なついろパンチ!【 AtelierPiccolo×マルミ光機】 価格:11970円 |
全体的に青の色味が爽やかにのり、空や影にたっぷりと青を滲ませます。赤や濃いピンクの発色も強くなり、柔らかい暖色のフレアやゴーストがはかなく可憐な世界を創り出します。人物撮影にもおすすめです。 ※「なついろパンチ!」の表面に虹色が見えることがありますが、これは干渉縞という自然現象であり、撮影には影響ありません。
これらのフィルターは、肉眼で捉える世界とは異なる、記憶の中にある心の画像を写すことを目指しています。マルミ独自のソフトフィルターを2枚使用し、解像度を大胆に落とすことで、強い滲みと優しい描写、そして個性的な色表現を可能にしています。
「パンチ!シリーズ」は、マルミ独自のソフトフィルターを2枚重ねることで、従来のフィルターにはない独特の描写効果を生み出しています。これにより、光を大胆に拡散させ、時に幻想的な、時に懐かしい雰囲気を写真に与えます。
アルプスパンチ!は、全体に緑色が乗り、自然や街中を柔らかい黄色で包み込む効果があります。強い順光で撮影しても影が緑に落ち着くため、柔らかいイメージで風景を捉えることができます。
また、マゼンタ色のフレアやゴーストが加わり、ファンタジックな現実を描き出します。夜景に使うと、赤の浮かび上がり方に特徴があり、可愛らしい世界が広がります。
※作例画像はMARUMI|マルミ光機株式会社様ホームページより参照しています。
なついろパンチ!は、全体的に青の色味が爽やかに乗り、空や影に青を深く滲ませます。このフィルターは人物撮影にも適しており、柔らかい暖色のフレアやゴーストが、はかなく可憐な雰囲気を演出します。曇りの日や雨の日には、より一層パンチのある写真が撮影でき、ガラス越しでの撮影は不思議な立体感と滲みの柔らかさを増幅させます。
※作例画像はMARUMI|マルミ光機株式会社様ホームページより参照しています。
フィルターを使用することで、写真の解像度が大胆に落ち、肉眼で見たものとは異なる、記憶の中の「心の画像」を表現できます。特に光の拡散効果は顕著で、通常の高解像度の写真とは一線を画した、ノスタルジックで情緒的な写りになります。
「パンチ!シリーズ」のフィルター径は、46mm、49mm、52mm、55mm、58mm、67mm、77mmが用意されています。様々なレンズに対応できるよう、ステップアップリングやステップダウンリングを使用することで、異なる口径のレンズにも装着可能です。特に50mm程度の標準レンズで撮ると、フィルターのイメージに近づきやすいとされています。
「パンチ!シリーズ」の色表現を最大限に活かすには、ホワイトバランスをオートではなく、晴天や日陰など、こまめに調整することが推奨されています。露出補正をプラス側にしたり、絞りを開け気味で撮ると、より効果的な光の拡散が得られます。逆光を積極的に取り入れることで、フレアやゴーストをより強調し、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
ホワイトバランスの設定は、フィルターの色味をコントロールする上で非常に重要です。例えば、なついろパンチ!で青みを抑えたい場合は、カメラ側でホワイトバランスを変更することで、滲み感を残しつつ色味を調整できます。絞り込むと、よりきれいなゴーストが出やすい傾向があります。
マルミは「パンチ!シリーズ」の他にも、ソフト効果フィルター「DHGソフトシリーズ」を5種類展開しています。「DHGソフトシリーズ」は、光の拡散効果の強さによって「ポートレートソフト」「レトロソフト」「ソフトファンタジー」「ソフトファンタジーII」「フォギーソフト」に分類されます。
これらのフィルターは、光を柔らかく拡散させる効果が主ですが、「パンチ!シリーズ」はこれに加えて、強い滲みと個性的な色表現、意図的なフレアやゴーストの発生が特徴で、「解像度のいらない世界」という明確なコンセプトのもと開発された点が大きな違いです。
一般的に、ソフトフィルターは光を拡散させ、柔らかい描写を生み出すものが多いですが、「パンチ!シリーズ」は、その効果に特定の色彩とフレア・ゴーストを加えることで、デジタルカメラではなかなか表現しにくいフィルムライクな、あるいはトイカメラで撮ったような懐かしい雰囲気を作り出します。これは、高解像度を追求する現代のフィルターとは逆行する、独自の個性です。
現代のデジタルカメラやレンズが高解像度、低ノイズを追求する中で、「パンチ!シリーズ」は「解像度のいらない世界へ」というキャッチコピーを掲げています。
これは、写真のシャープさやリアルさだけが全てではなく、撮り手の感情や記憶、あるいは偶然性を大切にするという、新しい写真表現の可能性を示唆しています。
あえて解像度を落とすことで、写真に物語性や情緒性が生まれ、見る人に想像の余地を与えるという魅力があります。
鈴木さや香氏は、写真家、写真と暮らし研究所 代表理事、Atelier Piccolo店主として多岐にわたる活動をしています。東京造形大学環境造形学部を卒業後、映像演出家や写真家のアシスタントを経て2012年に独立。
広告写真を撮る一方で、日常の空白となる記憶に焦点を当てた写真作品を多く発表しています。2017年には一般社団法人写真と暮らし研究所を立ち上げ、写真プリントを暮らしに溶け込ませる活動も行っています。著書に「日常写真を楽しむノートブック/インプレスブック」があります。
鈴木さや香さんは、CP+2022で「解像しない滲みの強いフィルター」というコンセプトを発表し、マルミ光機との共同開発に至りました。
彼女は「見え過ぎている世界ではなく、解像度のいらない世界が撮りたい」という強い想いを持っており、このフィルターを通じて、撮っている時の偶発性や生っぽい感情、記憶の中のイメージを写真に閉じ込めたいと考えていました。開発には、マルミ光機の一人の技術者が科学技術を結集し、幾多の試行錯誤を重ねた結果、「パンチ!シリーズ」が誕生しました。
鈴木さや香さんは、「パンチ!シリーズ」を使いこなすための「パンチ!のトリセツ☆」という動画も公開しており、その中でホワイトバランスの調整や50mm程度の標準レンズでの撮影、絞り込むことできれいなゴーストが出やすいことなど、具体的な使用方法やテクニックを解説しています。GR IIIなどのコンパクトデジタルカメラでも、アダプターを介してフィルターを使用し、その独特な描写を楽しんでいます。
「パンチ!シリーズ」は、46mm、49mm、52mm、55mm、58mm、67mm、77mmのフィルター径が用意されており、価格はオープン価格となっていますが、市場想定価格ではアルプスパンチ!が14,800円、なついろパンチ!が12,380円とされています。
「パンチ!シリーズ」は、マルミの直営ネット販売サイトや、家電量販店などの主要カメラ量販店で購入可能です。
「パンチ!シリーズ」は、現代の高解像度カメラとは異なるアプローチで、写真に新しい表現の可能性をもたらします。
肉眼で見える世界を忠実に写すだけでなく、記憶の中にある“心の画像”を表現したい方、あるいはフィルム写真のようなノスタルジックな雰囲気を手軽に楽しみたい方には特におすすめです。使いこなしには少々コツが必要かもしれませんが、このフィルターはあなたの写真表現に新たな「パンチ!」を加えてくれるでしょう。
アールイーカメラは、2007年に「株式会社アキバ流通」として神田佐久間町で 創業し、家電卸売業と並行してカメラの買取販売を開始しました。 その後、2009年に外神田へ移転し、事業規模を拡大。2015年には現在の店舗がある御徒町へ移転しました。2018年からはカメラ事業に本格的に注力し、 「アールイーカメラ」としての活動をスタート。 現在に至るまで、カメラ愛好者の皆様をサポートし続けています。
アールイーマガジン編集部の使用カメラ
アールイーマガジン編集部の使用レンズ