早稲田大学写真部 小学生の頃から家にあったデジタル一眼レフを触り、撮り鉄を経て中学3年生でフィルムを始める。その後デジタルカメラを手放し、今はフィルムのみでモノクロスナップやポートレートを中心に撮影する。普段のカメラはニコンF2。好きなフィルムはHP5+。 修士2年生。大学ではデータ分析と生成AIに関連するテーマに取り組む。
原田知幸の使用カメラ
原田知幸の使用レンズ
こんにちは。早稲田大学写真部の原田といいます。
今回【早稲田大学写真部×アールイーカメラ】 コラボ企画に参加させていただいたので、そのレポートという形で記事をお送りしております。作例もあるのでぜひ最後までお付き合いください。
本企画の趣旨は、「希望の製品や希少で高価なカメラ機材を使用し、その使い心地や写真のクオリティを体感」するということだそうです。
ありがたいことにこのコラボは、継続している企画です。
部内では割と話題になっていて、あるとき写真部に顔を出すと、見慣れないカメラを提げた部員 がいるわけですよ。それどうしたの?って聞くと、アールイーさんからお借りしてると。ほう。
しかも 結構いいやつも借りちゃってるじゃないですか。次の機会があれば頼んでみようと思っていたとこ ろ、告知があったので乗っかった次第。やっぱり触ってみたいよね。
参加を決めたら、次は何をお借りするかだ。あまりにも贅沢な悩み。まずは、フィルムカメラなの は確定。これは私が普段フィルムのみで撮っているから。デジタルに移行する予定は当分ないです。
「撮りたい写真のジャンル・テーマを踏まえて」みたいな話もあったのだけれど、特にジャンルを決めずに好きに撮るスタイルなので、うーん困ったな。
そうすると、やはり希少で高価な機材というところに目がいくので、M型ライカ・Hasselblad・ Makina 67あたりが候補に上がる。
その中でも、中判よりライカ判の方がシャッターを切れる回数が多くて楽しいのと、中判で気合を入れるシチュエーションが近々にはないから、M型ライカと相成りました。
ここまで考えて、いざアールイーカメラさんへ。御徒町の多慶屋さんの近くにあります。
店員さんとお話ししながら機材を選ばせていただく。個人的には1台持つならM2かM4だと思って いたので、在庫や状態とも相談しつつ、M2をお借りすることに。あんまりキレイなものをお借りす るのはね。外装は気にしないですし。Gマークの銀一レリーズボタンが付属してたのがポイント高いです。
これ、結構使い心地に影響します。
レンズは熟考の末、DRズミクロンと固定の前期で迷って後者に決定。M2は50mm枠が小さめに出るから、メガネ装用者に優しいんですよ。35mmにしなかったのは、今まで苦手にしてきたレン ジファインダー機と50mmの組み合わせを今度こそ克服できるかも、という期待感もちょっとありつつ。
自由に選ばせていただいて感謝です。
リュックに憧れの機材が入っていることに震えつつ、アー ルイーカメラさんを後にしました。
初めの方に、テーマを決めずに撮るスタイルと書きました。客観的には、スナップ・ポートレート・ 風景の順でよく撮っていると思う。今回のテーマは、強いて言えば、東京スナップとお盆の連休の 旅行になるかな。
では作例写真とともに、印象を書いていきますね。スキャナーはCanonの8800Fを使ってます。
まずM2に詰めたのはKodakから出ているColorPlusというフィルム。Goldほどではないけど温 かみのある色味が特徴で、それなりにシャープネスもある印象。
何日かに分けて撮りましたが、この時期の東京はたまに曇ることはあるがおおむね晴れ。体温レ ベルの暑さだとニュースで言ってました。暑すぎるため日中は屋外に出るのを極力控え、日が傾 き始めてから行動開始。
最初はレンズをどっちに回したら二重像がどっちに動くのかもわかってなかったけど、無限ストッ パーにギリギリ乗り上げないところにいつも止めておいて、撮る時は最短側に回すようにして解決。
左右にグリグリやっててシャッターチャンスを逃してしまうのは悔しい。
というか、絞ってたら目測で撮ってしまってます。3mとか無限とかに合わせて。
それだとこのカメラの素晴らしいファインダーの意味があんまりないんですが…。
もちろんここぞというときや、絞りを開けた時はちゃんとやってます。
ガラスの再現を見たくて撮りました。申し分無い写り。一本撮り切ってみると、開放からひと絞りく らいまではややふんわりしてますが、F4からシャキッとし始め、F8まで行くときっちり写る印象。個 体差もあると思いますけどね。
撮り切ったのでモノクロにスイッチ。フィルムはKentmere 100。ILFORDブランドを持っている Harman Technologyのフィルム。もうちょっと黒が締まるかと思いましたが、トーンが美しく出てま すね。
レシピは D-76 1+1 11.5min 20℃ 60/60/1 で現像。MarixFilmが出しているD-76の互換品を使い ました。中身は同じはず。 露出は勘で。晴天・曇り・室内の3つの値を覚えて、光線の加減と選びたい絞り値で調整してる感 じです。ネガですし、そこまで厳密にしなくてもいいかなと。
面白いものがあるとついレンズを向けてしまう。こういう時にきっちり正対するのってレンジファインダーだと苦手なんですが、カメラを箱型の面で捉えて、身体で撮るような感覚ですかね。
夜も少し撮りました。なかなかいい感じじゃないですか?お店の中から漏れる光がたまらんです ね。
この期間中、何人か知人に会ったので撮らせてもらったんですが、ここに載せられないのが残念です。50mmの最短1mってちょうどバストアップになるんですよね。これを考えた人は天才だと思います。
どれもいい写真に仕上がり、喜んでいただきましたと書いておきます。
場所は飛んで晴天の野尻湖にやってきました。船の上から一枚。
ここからフィルムはILFORDのILFOCOLOR 400 Vintage Tone。クラシックなカラーネガを再現したと謳っています。適正露出〜アンダーではシアンに転ぶというレビューを見たので、思いきり露光しましたが、結局その傾向は出ている気がしますね。粒状感は結構あります。
林の中は露出を迷いがちで、ハイライトに合わせるかシャドーに合わせるかを考えてしまいます。
このカットはふんわりとした調子にしてみました。
こういう細かい模様の被写体はレンジファインダーの苦手とするところ。二重像の合致にこだわりすぎず、マイクロプリズムみたいな感覚で使うように工夫したらうまくいくというのは発見でした。
建物のスキマにうまく蝶を入れようとしましたが、視差の影響で、中心からずれてしまいました。こういうところは一眼レフの感覚が抜けないですね。
ここからまたモノクロです。
山を降りて長野市内に入ってからの写真になります。フィルムは相変 わらずKentmere 100。
反射的に撮ってます。すぐこういう構図を作りたがるクセはあるような気がします。そして、それに 応えてくれるカメラなわけです。
何やらミストが出ていました。
この写真だとまだ普通ですが、このあと手前の人達はあふれ出すミ ストで見えなくなりました。
ミストはモノクロで撮ってもいいですね。これはいい発見をしました。
使いやすいなあ。悔しいなぁ。この使用感は言葉にしづらい。いい意味で、撮った感じがしないと いうことなのか。使い手にとっても、撮られる側にとっても。コンパクトカメラやレンズシャッター機 なの?って疑うほどです。
使いはじめはこの使い心地でほんとに撮れてるのか?とちょっと不安でした。いかにも撮った ぞ!っていう感触が手に残らないので。でも、仕上がりを見るとよく撮れている。この感触でこの 仕上がりだったらそりゃみんな褒めるわ、と納得です。いい道具ですね。作りが良すぎるってこう いうことなのかな。
今一度写真を見返して、50mmだと「切り取る」意識になると再認識。普段は35mmが多いので、 50mmだと1、 2歩下がることが多く。逆に言えば、少し離れたところからでも狙えるので、自然と そういう使い方になったのかと。
35mmでも50mmでも1本だけ持って旅行に行ったことはありますが、やっぱり1本だけと言われたら35mm派ですね。今回は室内の写真が少なめになってしまいましたし。
しかし、35mmは寄りた くなって不便に感じることもあるので、50mmがいいのかな。ブライトフレームはかなり正確で、 50mmを再導入するならM型とセットだな、なんて思いました。 やはり1週間もお借りすると、店頭でちょっと触っただけではわからない、使い勝手の部分を体験 できました。
別世界だと思っていたM型ライカの世界が身近に感じられて、思わず返却したくなく なるほどでした。貴重な体験をさせていただいたこと、この場を借りて感謝申し上げます。
巻き戻しノブはしっかり引っ張り上げよう(空転して焦りました)。
早稲田大学写真部 小学生の頃から家にあったデジタル一眼レフを触り、撮り鉄を経て中学3年生でフィルムを始める。その後デジタルカメラを手放し、今はフィルムのみでモノクロスナップやポートレートを中心に撮影する。普段のカメラはニコンF2。好きなフィルムはHP5+。 修士2年生。大学ではデータ分析と生成AIに関連するテーマに取り組む。
原田知幸の使用カメラ
原田知幸の使用レンズ