夜に息づく文化、音、光——「人類踊狂計画」さんは、その高揚と熱気をカメラで掴み取るフォトグラファー。
カメラ歴1ヶ月ながら、ナイトクラブやフェスを舞台に独自の視点で撮影を続けています。
踊り続けてきた夜を、今はファインダー越しに。
彼が写真の世界に飛び込んだ理由、そして「夜を撮る楽しさ」を伺いました。
― カメラをはじめたきっかけを教えてください。
元々ナイトライフが好きで、DJのプレイを聴いたり、自分でもプレイしたりと、夜のフェスを楽しむのが大好きでした。
ただ、暗い場所で動きのあるものを撮影するのはスマホではなかなか難しい分野ですよね。
さらに、怪我の影響で以前のように激しく踊るのが難しくなってしまって…。
それなら「踊る代わりにその空気を残したい」と思い、カメラを始めることにしました。
音と一緒に揺れるあの感覚を、写真で表現したいんです。
― どんなシーンに魅力を感じて撮影していますか?
音楽を通じて、興奮と自由な表現が混ざり合い、
“個”が溶け合っていく瞬間にグッときます。
エゴと熱狂が混在するようなシーンに惹かれますね。
そういう瞬間をとらえたいと思っています。
― よく使用するカメラを教えてください。
Sony α7S III を使っています。
AIのノイズ除去が進化しているので「もう高画素機でいい」という意見もあると思いますが、
夜の偽色や質感が変わってしまうと、その場の空気ごと失われてしまう気がして。
ナイトシーンで“そのままの雰囲気”を再現できる点が気に入っています。
― 印象に残っている撮影エピソードはありますか?
カメラ歴は1ヶ月未満なので大きなエピソードはまだ少ないのですが…
フェスに大きなカメラを持っていく人って、スタッフ以外ほとんどいないんですよね。なのでかなり目立ちます(笑)
声をかけられた時に、相手の背景をきれいにぼかして撮ってあげて、そこからSNSで繋がることもあります。
写真がコミュニケーションになるのが楽しいですね。
― おすすめの撮影スポットはありますか?
夜の道玄坂周辺です。
音楽とカルチャーが混じり合う場所で、その“熱”や“ノイズ”を切り取れるのは、カメラだからこそ。
ナイトシーンを撮るなら、ぜひ歩いてほしいエリアです。
人類踊狂計画さんの作品
■ さいごに:夜の文化に、カメラという新しい踊り方を
「動けなくなったから、撮るようになった」
その言葉は、喪失ではなく“新しい表現を得た”人のまなざしでした。
ナイトカルチャーの鼓動を写し取る、はじまりの1ヶ月。
これから人類踊狂計画さんがどんな“夜”を残していくのか、楽しみです。
